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ヤマトが超低温輸送を本格運用、低コスト化に道

2021年2月1日 (月)

メディカルヤマトホールディングスは1日、傘下のヤマトロジスティクスがシスメックスと共同でマイナス70度以下でGDP(医薬品の適正流通基準)に準拠した遺伝子検査用試薬の超低温輸送、複数の温度帯で高品質・低コストなロジスティクスを実証できたとして、今月から本格運用を開始すると発表した。

また、エイディーディー(静岡県沼津市)が開発したマイナス120度の保冷能力を持つ「ウルトラディープフリーザー」を用いることで、ドライアイスを使用しなくても冷凍、超低温ともに一定の温度帯を維持。マイナス65度以下を24時間キープできることを確認したことから、ドライアイスレス輸送の実用化に向けた取り組みを進める。

いずれも、需給バランスから高額にならざるを得なかった超低温輸送の低コスト化に道を開く取り組みだといえる。

実証実験では「専用輸送箱を活用した混載輸送」を前提としてGDPに準拠した品質管理とコストを検証した。

具体的には2020年11月から21年1月にかけ、超低温(マイナス65度以下)、冷凍(マイナス20度以下)、低温(2-8度)の3温度帯で輸送状態を検証。神戸市のテクノパークイーストサイトから川崎市の最終納品先まで、(1)GDPに準拠した輸送・品質条件の評価(2)現行コストとの価格評価——を確かめた。

また、ドライアイスを使用しない輸送を見据え、環境温度30度設定下でドライアイスに代わるマイナス120度の「超低温氷」の保冷能力を検証した。

遺伝子検査用試薬の輸送は、高度な品質管理を担保するために物量を問わず専用便で輸送してきた経緯があり、高額な輸送コストの負担が課題だった。また、保冷のために必要になるドライアイスは、石油精製の結果として得られるCO2を使用していることから、環境負荷や夏場の需要ひっ迫リスクの面で改善の必要が生じていた。

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