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沖電気とロンコ・ジャパン、AIで配送計画を自動化

2021年3月15日 (月)

国内沖電気工業は15日、このほどロンコ・ジャパン(大阪市東成区)とともに実施したルート配送効率化に関する実証実験において、開発したAI技術の有効性を確認したと発表した。車両13台の走行距離を、人による配送計画と比べて1日当たり300キロメートル短縮。LogisticsTodayの取材に応じたロンコ・ジャパンによれば、従来の走行距離の7.6%にあたるという。

実験に使用された「コスト最小型ルート配送最適アルゴリズム」は、AIによって配送先とその順番、各車両に積載する荷物の内訳などを最適化し、総走行距離を自動的に最小化するもの。従来の最適化サービスでは対応が難しかった、複数車両で荷物を分割配送するようなケースにも対応可能という。

2021年2月に実施した実験では、ロンコ・ジャパンの大型車13台による実際の配送案件に関し、要件確定から開始までの限られた時間内でアルゴリズムが計画を策定。選定したルートに走行上の問題は見られず、配送計画の自動化やコストの最小化に対する大きな効果を確認したという。実験結果を元にした試算では、年間の燃料代は360万円、二酸化炭素排出量は440キログラム減少する。

ロンコ・ジャパンによれば、両社の協働はイノベーション推進のための専門部署を設立した沖電気工業に、DX事業を将来の成長の柱の1つと位置付けるロンコ・ジャパンがアプローチし、2020年3月に開始。ロンコ・ジャパンは、課題としていた配送計画の属人化の解決策として、今夏にもアルゴリズムの導入と実用化を目指す考えを示し、沖電気工業も2021年度中の実用化と、他分野への応用に取り組むとしている。