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沖電気、配送計画自動化システムを22年度実用化へ

2021年10月28日 (木)

話題沖電気工業は28日、AI(人工知能)技術を活用して配送計画を最適化する「コスト最小型ルート配送最適アルゴリズム」を2022年度にも商品化することを明らかにした。アルゴリズムの実用化に向けて、総合物流会社のロンコ・ジャパン(大阪市東成区)でモニター運用を11月1日から22年3月末まで実施し、商品化に向けた最終試行の機会とする。

(出所:ロンコ・ジャパン)

沖電気工業は、プリンターやATM(現金自動預け払い機)などの主力製品の開発で磨いた技術を、成長領域に水平展開するイノベーション戦略を推進しており、重点領域の一つに「物流」を掲げている。消費スタイルの多様化な度による物量増で人手不足や業務のデジタル化が喫緊の課題となるなかで、18年から物流領域における現場業務の効率化に向けた技術の実用化を検討してきた。

沖電気工業がこのたび商品化に取り組むのは、コストが最小になるように配送計画を自動で策定できるアルゴリズムだ。ことし2月にロンコ・ジャパンの営業所を対象にアルゴリズムの実証実験を実施。トラック13台で50か所の配送先に荷物を運ぶ業務について、アルゴリズムの活用の前後におけるトラックの総走行距離を計測したところ、1日あたりで3500キロメートルから3200キロメートルに8%以上削減できた。年間で燃料費を360万円、CO2排出量を440キログラム減らせる計算になり、コスト削減による収益向上や環境対応に貢献できることが分かった。

今回のモニター運用は、同じ総走行距離の比較で、所定の配送時間に対応して高速道路の走行を想定したルートを設計した形でのコスト削減効果を検証。店舗配送の順番や各車両の輸送量の配分など、より実務的な要素を取り入れることで、配送時間の遅延や車両ごとの業務の偏りをなくしながらコストを最小化できるルートを自動で導く機能の実効性を確認する。

沖電気工業は実証実験時よりもさらに総走行距離を削減する結果を期待。30年までのサプライチェーン構築の完全自動化を目指して、アルゴリズムを配送計画システムに組み込むことで配送計画業務を自動化するシステムの実用化に取り組む。

沖電気とロンコ・ジャパン、AIで配送計画を自動化