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国交省が自動運転レベル3初認可、常時遠隔監視不要に

2021年3月23日 (火)

調査・データ国土交通省は23日、経済産業省と連携して福井県永平寺町で実施している遠隔監視・操作型の無人自動運転移動サービスに関連し、この車両を製作している産業技術総合研究所(産総研)からの申請を受けて、遠隔監視・操作型の自動運行装置を備えたレベル3車両を全国で初めて認可した、と発表した。

この実証実験では、2020年12月22日に永平寺町が「まちづくりZEN(ぜん)コネクト」に業務委託し、1人の遠隔監視・操作者が3台の自動運転車を同時に監視対応するレベル2自動運転移動サービスが実現。

ことしに入って、産総研がセンサー類を改修・追加するなど車両の高度化が進み、レベル3車両として中部運輸局に申請、3月5日に認可した。その後、公道走行のための準備を経て、3月25日には国内初の自動運行装置を備えたレベル3車両による本格運行を開始する。

(出所:国交省)

車両には、地元福井県の図柄入りナンバープレートが装着されていて、レベル3にアップグレードすることで、3台の自動運転車が作動継続困難な場合を除き、遠隔にいる運転手は常時監視する必要がなくなる。

これにより運転手の負担が軽減されることから、まちづくりZENコネクトは「安全確保のために車内に乗車していた保安要員」を外した運用に切り替える。

今回認可された自動運転車には、「ZENドライブパイロット」と名付けられた自動運行装置を搭載。道路に敷設した電磁誘導線上を追従しながら周辺の交通状況を監視するとともに、運転者に代わって運転操作を行い、最大で時速12キロで自動走行する。

装置は国交省が付与した特定条件(走行環境条件)の範囲内で作動が可能。作動後、走行環境条件を満たさなくなる場合や故障発生時には、警報を発して運行を停止することになっている。