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ニチレイロジ、荷主に無料の物流管理サービス

2021年4月5日 (月)

フードニチレイロジグループは5日、荷主向けの物流管理クラウドサービス「eLixxi」(イーリクシー)の無償提供を開始した。リアルタイムの物流情報管理により顧客の業務を効率化するもので、在庫検索や入出庫依頼などの基本機能は無料で、一部のオプション機能は有料で提供する。

(出所:ニチレイロジグループ)

eLixxiで提供するのは、入荷商品の到着結果を確認する「入庫検索機能」、サプライチェーンのリアル在庫を可視化する「在庫検索機能」、全拠点の出庫データを検索できる「出庫検索機能」など。そのほかオプションとして、賞味期限警告機能や在庫変動シミュレーション機能など、顧客の需給管理を支援する各種ツールを用意する。

荷主との関係は「対面する」から「並び観る」へ

3PLをはじめとする営業倉庫の荷主争奪戦は当面、激化の一途をたどる気配が濃厚だ。かといって、かつてのような受注価格のくぐりあい(安値競争)は起こらない。労務費と運送費の適正化は今や社会的要求であるだけでなく、業界全体の存続に直結する、人材獲得と安定雇用維持の筆頭要件となっている。

乱暴な価格訴求による受注競争のしわ寄せは、まず最初に労働者に及ぶはずだし、過去の事実として、過当競争の果てに多くの労務事故が発生してきた。結果として労働力不足や、物流業界自体への求職需要の低迷に見舞われてきた過去を忘れている経営層は、皆無と言っていいだろう。

社員が良くならなければ、顧客サービスの充実は困難だ。それゆえに物流業界の経営層は常に従業員の労働環境を改善し続ける意識を欠いてはならないことなど、言わずもがなだと思う。社員と向き合った後は、荷主との距離感をどう保つかに焦点が合わさる。

今までのように対面して、膝詰めで説明・説得するばかりでは足らず、まずは荷主と同じ景色を観るところから始めなければならないのではないか。向き合って理解を深める前に、並び立って同じ景色を眺めることが、提供するサービスや言動の下地になっているなら、その物流企業は荷主の支持を得続けるだろう。(企画編集委員 永田利紀)