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DHLエクスが試算

BtoBでもEC拡大、27年には21兆ドル規模に

2021年4月6日 (火)

(出所:DHL)

ロジスティクスDHLエクスプレスは6日、新たな研究報告書を発表し、今後数年でBtoCに限らず、BtoBでもEコマース(EC)が大幅に成長するとの試算を示した。2025年までにサプライヤーとバイヤー間の取引の80%がデジタル化されるととともに、19年は12.2兆米ドル(1347兆円)だったBtoBのEC市場規模が、27年までに20.9兆米ドル(2308兆円)に拡大するとしている。

同社はコロナ禍によるデジタル化の加速や、テクノロジーに精通したミレニアル世代が今後のBtoBビジネスにおける意思決定権者となることを重要視。ジョン・ピアソンCEOは「世界的なコロナ禍においてもグローバリゼーションは回復力を示している。ECとグローバルな物流は、国境を超えて経済を支える」と述べている。

(出所:DHL)

同書によれば、ミレニアル世代(00年代に成人・社会人になった世代)はすでに世界のBtoBビジネスにおける購買活動の73%を決定。デジタルネイティブとしてBtoC取引で得た経験から、BtoB取引のデジタル化にも強い期待を抱く傾向があり、新たなECプラットフォームなどへの企業の投資を促すとともに、大きな成長に結びつける可能性があるとしている。

報告書ではそのほか、コロナ禍以前の19年において、すでにBtoBのECサイトやマーケットプレイスにおける世界の総売上高は前年比18.2%増の12.2兆米ドルに達し、BtoCにおける市場規模を上回っていたことを説明。市場の拡大はデジタル化の加速を受けて、27年までに70%増加して20.9兆米ドルに達するとの見方を示した。

なお、DHLエクスプレスの20年の通期業績は、売上高が11.9%増の191億ユーロ(2.5兆円)で、営業利益が34.9%増の27億ユーロ(3500億円)。DHLグループのエクスプレス部門としては「過去50年間で最高の業績」だったという。全世界で配達した貨物は9%増の4億8400万件に上る。