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センコー、高速バス大手と東名阪で貨客混載

2021年4月12日 (月)

ロジスティクスセンコーと高速バス大手のWILLER EXPRESS(ウィラーエクスプレス、東京都江東区)は4月に入り、ウィラーエクスプレスが運行する高速バスの荷物スペースを使った貨客混載輸送を開始した。センコーによれば注力している軽貨物輸送事業の一環で、貨客混載や高速バス会社との協働は初めて。

(出所:センコーグループホールディングス)

同社の東名阪路線を幹線路線として使用し、小ロットの荷物を低コストで運ぶ。同社によれば、当面は既存顧客が発送する雑貨やサンプル品など「宅配便で発送するには大きく、トラックを手配するには小さい荷物」などから取り扱う考え。同社は3月に、大型の荷物を中心に九州-本州間でウイングトレーラーのスペースを販売する新たなサービス「物流バス」を開始しており、幹線輸送におけるサービスがさらに多様化することになる。

ウィラーエクスプレスは229台のバスを保有する高速バス事業者大手。コロナ禍以前の2019年には、全国主要都市間を中心に20路線で1日297便を運行し、年間で300万人超が利用していた。バスによる貨客混載事業については、すでに農業マーケティング企業や地方のバス会社などと「産地直送あいのり便」を実施しているが、大手物流企業との取り組みは初めて。

貨客混載は、まずは東京-大阪間、東京-名古屋間、名古屋-大阪間の3路線の1日50便で実施。運べる荷物は1件350キログラム未満とし、出発地までの集荷と、到着後の配送はセンコーが担う。

センコーは発表に際して、バスの荷物スペースを活用することでトラックよりも輸送料が安くなることをアピール。例えば東京-大阪間では、1件あたり1万8000円から4万3000円程度抑えられるとしている。料金は発着地における集配距離により変動する。

今後は需要の動向を見ながら、ウィラーエクスプレス路線ネットワークのさらなる活用を検討する考え。顧客が希望する時間帯・輸送量に柔軟に対応できる小ロットのスピード輸送サービスを確立したいとしている。