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純利益10倍以上

マースク1Q売上高30%増、コロナ影響で需要強く

2021年5月6日 (木)

財務・人事APモラー・マースクがこのほどまとめた2021年度第1四半期決算(1-3月期)によると、四半期売上高は過去最高となる124億3900万ドル(1兆3599億円)を記録し、前年同期から30%増加した。純利益は前年同期の2億900万ドル(228億円)から27億1700万ドル(2971億円)へと10倍以上に膨らみ、わずか3か月で20年度の通期水準(29億ドル)に匹敵する利益を稼ぎ出した。

主力の海運事業が31.1%増と好調だったほか、ロジスティクス事業が41.8%増、ターミナル運営事業が19.5%増、加工事業が15.9%増と、新型コロナウイルスによるパンデミックが続くなか、市場の強い需要の恩恵に浴する格好でいずれも前年度実績を大幅に上回った。

特に海上運賃は「強い需要と、ボトルネック、容量の不足、グローバルサプライチェーンの設備不足などの重大な運用上の課題」が作用して大幅に上昇した。

海上運賃が前年同期実績を35%上回る水準で推移したのを背景に、EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は前年同期の15億ドル(1640億円)から40億ドル(4373億円)に改善した。ロジスティクス事業では、スウェーデンに本社を置く物流企業、KGHカスタムズサービスの買収による成長もあった。

同社は21年の世界のコンテナ輸送量見込みを従来の「3-5%成長」から「5-7%成長」へと引き上げ、特に中国から米国向けの輸出量が成長をけん引すると見ている。通期業績については「需要の急増がサプライチェーンのボトルネックと機器不足につながるという現在の例外的な状況が21年の第4四半期まで続く」と予想している。