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ロジザード×LT「ロジスティクスAMRフォーラム」開催

「物流のミライ」について物流ロボ第一人者が議論

2021年6月24日 (木)

話題ロジザードとLOGISTICS TODAYは24日、「ロジスティクスAMRフォーラム2021」をオンラインで開催した。物流現場で本格的な普及期を迎えつつある、AMR(自律走行ロボット)をはじめとする物流ロボットについて、「AMR導入で物流効率は本当に向上するのか」をテーマに、物流現場の課題解決におけるAMRの有効性や求めるべき役割、WMS(倉庫管理システム)との連携のあり方などについて解説するとともに、物流ロボットが描く「物流のミライ」を検証した。セミナーには、3PL事業者と関係者を中心に、当初の定員を大きく上回る720人が参加。物流ロボットへの関心の高さを示した。

セミナーは、登壇者の解説コーナーと座談会形式のディスカッションの2部構成。冒頭で、LOGISTICS TODAYの赤澤裕介編集長が「物流AMRの現在地」と題して、メディアの立場から見た直近2年間の国内物流ロボット動向について、世界で活躍するロジスティクスAMRの全機種を比較しながら解説した。

続いて、AMRやWMSを提供する3社が物流業界の抱える課題や今後の展望について説明。まずクラウド型WMSを提供するロジザードの金澤茂則社長が、物流倉庫の自動化を実現するWMSの役割とロボット連携の狙いについて、「共通方式でまとめて人が担う仕事を置き換え、フル稼働させることで、将来も安心な物流環境が実現する」とし、単位あたりのランニングコストが人間よりも小さくできるロボット導入の利点を強調した。

AMRを開発・提供するラピュタロボティクスの森亮執行役員は、新時代の物流ロボティクスを考える上で経営者や現場担当者が理解しておくべきメリットについて、「省人・省力化ばかりでなく、作業者への体力的・精神的な負担軽減や教育時間の短縮、さらに需要変動への柔軟な対応が可能になる」と解説した。

月額料金制で物流ロボットを提供するプラスオートメーションの大西弘基セールス&マーケティング部長は「物流RaaS(Robotics as a Service)」をキーワードに、「AMRの特徴を最も生かせるのがRaaSだ。簡単に導入でき、柔軟性が高く、作業効率を高められる、まさに未来の倉庫の姿を実現するものだ」と話した。

セミナーを締めくくるディスカッションでは、各社の物流ロボットの導入経験を基に、AMRなどロボットがもたらす物流現場の変革について、登壇者が持論を展開。プラスオートメーションの大西部長は「国内の物流現場でも3年後にはロボットがかなり普及するだろう」と分析。海外勢が先行するロボット開発における国内勢の動向については、ロジザードの金澤社長が「海外製ロボットも日本製部品を搭載している例は多い。製造コストが下がれば国内でも生産できる余地はある」と期待した。将来のAMR普及拡大に必要な考え方については、ラピュタロボティクスの森執行役員が「物流戦略において、コスト効果だけでなく、先進テクノロジーの導入による『強み』を生み出して価値を創出していく発想が必要」と強調した。

今回のセミナーは「第6回ロジザード物流セミナー2021」として開催。LOGISTICS TODAYとの共同開催は今回が初めて。