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トラック予約受付・バース管理システム特集

拠点周辺のトラック荷待ち発生原因、その対策は

2021年7月20日 (火)

話題LOGISTICS TODAY編集部が7月12日から16日にかけて、物流企業や荷主企業を中心とする読者に対して実施した「トラック予約受付・バース管理システムに関する実態調査」(有効回答数904件、回答率31.2%)の結果、49.2%とほぼ半数がトラックの予約受付やバース管理の機能を持つITサービスの導入に関心を持っていることが分かった。

調査では、トラックの滞留が発生している原因や、トラックの予約受付やバース管理の機能を持つITサービスで関心のあるものについても調べた。(編集部特別取材班)

今回の調査における回答のうち、3PL企業が23.8%を占め、次いで荷主企業22.2%、運送業19.8%、倉庫業11.9%となった。

荷主企業に対して実施した物流アウトソーシングの利用状況についての設問では、「拠点によって自社運営と物流業務委託の両方の場合がある」との回答が42.3%で全体の半数近くを占め、「物流企画機能は自社で行い、オペレーションは外注している」の回答も同率だった。拠点で取り扱う商品ジャンルや人員配置などの特性に応じて使い分けているようだ。

荷待ちは半数以上が「発生している」と認識

物流拠点の周辺で発生するトラックの滞留(荷待ち)状況についての設問は、「全て」「一部」を含めて発生しているとの回答が68.2%と7割近くに達した。なお、発生頻度については、「恒常的」「頻繁」を合わせて57.8%と半数を上回った。大型物流施設を中心に、年末を中心とする繁忙期にはトラックの荷待ちが常態化する事例も珍しくないが、まさにこうした実態を色濃く反映した結果となった。

■荷待ちの発生状況(左)と発生頻度(右)

とはいえ、トラック滞留発生状況の認識については、荷主企業と倉庫業で差があるようだ。トラックの滞留状況にかかる設問について「発生している拠点はない」との回答は、荷主企業で17.9%だったのに対して、倉庫業はゼロだった。トラック滞留問題は、荷主企業にとってより敏感なテーマだということなのだろうか。

■業種別の荷待ち発生状況

滞留の原因は「倉庫オペレーションのまずさ」

では、なぜこうした滞留が発生するのだろうか。トラックの滞留が発生している原因について聞いたところ、「倉庫オペレーションの組み立てに問題があるから」が37.3%でトップ。次いで「滞留を予防・改善するためのITシステム(トラック予約システムなど)が導入されていないから」が32.5%で続いた。倉庫のオペレーションが効率的になされていないことを指摘する回答が多く、物流現場の構造的な課題とされる「効率化」が喫緊の課題であることが、改めて浮き彫りになった。

他の回答としては、「拠点の立地もしくは周辺道路の幅・形状に問題があるから」(24.6%)、「拠点運営の責任者が滞留を改善する必要性をあまり感じていないから」(17.5%)、「人手不足だから」(15.1%)などが目立ち、人手不足や責任者・担当者の理解不足がトラックの滞留を招いているとの声もあった。いわゆる倉庫の「管理」業務に人員や時間を割ける状況にない現場の悲鳴が聞こえてきそうだ。

■荷待ちの発生原因

倉庫の内外間の業務連携も課題に

物流拠点におけるオペレーションの課題は、トラックの荷待ちだけではない。拠点周辺の車両滞留のほかに、自社の物流拠点が直面している課題について聞いたところ、圧倒的に高い回答率だったのが「庫内作業との連携による入出荷業務の効率化」で、73.8%に達した。倉庫内の仕分けなどの作業と、車両の入退場など倉庫外での業務とのスムーズな連携がなかなか難しい実態が浮かんだ。

続いて、「車両の入退場管理やセキュリティ確保」(38.9%)、「受付の無人化・省力化」(36.5%)、「構内での効率的な車両誘導」(30.2%)の順で回答が多く、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた措置として「受付時の検温など感染症対策」も15.9%が回答した。

■荷待ちのほかに直面している課題

ここまで、物流拠点が抱える悩みであるトラック滞留の課題認識と原因について見てきた。それでは、こうした課題の解決につながる、トラック予約受付やバース管理の機能について、どんなITサービスが期待されているのだろうか。

2021年7月27日公開、「トラック予約・バース管理システム関心度ランキング」に続く。

トラック予約受付・バース管理システム一覧表のダウンロード
(LOGISTICS TODAY編集部作成)