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日野自、東南アの部品供給難で古河工場が一時停止

2021年8月2日 (月)

荷主日野自動車は8月2日、東南アジアでの新型コロナウイルス感染拡大に伴う部品供給不足により、トラック生産拠点の古河工場(茨城県古河市)の稼働を一定期間停止すると発表した。供給が不足している部品や、不足の理由などについては明らかにしていないが、現在の世界的な半導体不足の影響ではないという。

稼働を停止するのは4日の2直目から6日の2直目までの計5直で、2.5日間にわたり稼動を停止することになる。対象車種は国内・海外向けの大型トラック「日野プロフィア時速INO700シリーズ」と中型トラック「日野レンジャー時速INO500シリーズ」で、具体的に生産が遅滞する台数については「精査中」としている。

同社は、今後の稼働停止延長などの見通しについては、「不透明」との見方を示した。なお、古河工場以外では両車種の生産に関わる新田工場(群馬県太田市)についても、連動して稼働を停止する可能性も否定できないという。

サプライチェーンの確保は大丈夫か?

コロナ禍以降の日野自動車の工場の稼働停止には、感染拡大による需要への影響を受けての昨年6月の2日間にわたる羽村工場での稼働停止、ことし2月の福島県沖地震による3日間の同工場の稼働停止などがある。いずれも停止期間は短く、今回も現状では2日半のみとなる予定だが、東南アジアが新たな感染拡大の中心地の一つとなっていることを考えれば、延長の可能性も否定できないだろう。

(イメージ)

今日の車両生産のためのサプライチェーンは世界規模に拡大しているが、そのうちのどこか一つがつまずいただけで工場が稼働停止、ということでは心もとない。そのような事態が起きないためにも、サプライチェーンは常に「規模」と「質」の拡充が求められているのであり、どこかのルートがつまづいても、他のどこかでフォローできる、こうした柔軟なサプライチェーンの構築が求められる。