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ブランドぶどうの国際流通でトレーサビリティー実証

2021年9月15日 (水)

フード九州農産物通商(福岡市中央区)とchaintope(チェーントープ、福岡県飯塚市)の2社は15日、福岡と香港間の既存サプライチェーンで、福岡県産巨峰とシャインマスカットの流通工程を対象にブロックチェーン技術を活用したトレーサビリティー実証に成功した、と発表した。

実証事業は、ブロックチェーン技術の振興を進める福岡県の事業の一環として行われたもので、チェーントープがブロックチェーンシステム「Tapyrus」(タピラス)を提供した。

この仕組みを商品の国際流通に導入することにより、トレーサビリティを明らかにして商品力を強化したい生産者、商品の製造、流通過程を確認し安心して購入したい消費者、トラブルに迅速に対応したい物流業者、小売業者など、サプライチェーンに絡むそれぞれの関係者のデジタル変革(DX)を促進することにつながる。

Tapyrus APIを利用したアプリケーション(出所:chaintope)

チェーントープは同社が提供システムについて「改ざんが困難なブロックチェーンの特性を生かし、産地偽装の防止や食の安全・安心を実現する技術として今後の展開が大きく期待されるもの」と説明している。

JAふくおか八女(黒木選果場)での作業の様子(出所:chaintope)

8月下旬から9月上旬にかけて行われた1回目の実証では、八女市産巨峰、川崎町産シャインマスカットをトレーサビリティーの対象とした。JAふくおか八女と川崎町ラピュタファームから出荷協力を受け、それぞれの産地の出荷担当者にスマートフォンアプリを利用してトレーサビリティー情報を記録してもらい、九州農産物通商が輸出を受け持って香港の店舗へ届けた。

香港では、青果店「三代家」を訪れた顧客にぶどうのパッケージに貼り付けたQRコードをスキャンしてトレーサビリティ情報を閲覧してもらい、トレーサビリティ情報の有無による「顧客の購買行動や意識の変化」をアンケートで調査した。今後は2022年1月に同じルートでブランドいちご「博多あまおう」でも実証する計画。