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日本製鉄など6社、石灰石運搬船の新船建造へ

2021年10月1日 (金)

荷主日本製鉄、日鉄セメント(北海道室蘭市)、NSユナイテッド内航海運、石油資源開発、常石造船(本社広島県福山市)、川崎重工業の6社は9月30日、NSユナイテッド内航海運の保有する石灰石運搬船「下北丸」の後継船として、天然ガス専焼エンジンとバッテリを組み合わせたハイブリッド推進システム船を建造すると発表した。

(出所:日本製鉄ウェブサイト)

今回建造が決まった新船は、2024年2月の運航開始予定で、国内初の天然ガス専焼主機と2847kWhのリチウムイオンバッテリを搭載。LNGタンクには日本製鉄が開発した7%ニッケル鋼板を舶用タンクとして初めて使用する。巡航時には川崎重工業が開発した天然ガス専焼エンジンにて推進力と船内電力を供給する。天然ガスのみで高出力、長距離、長時間の航行を実現し、入出港時や停泊時はバッテリから推進力と船内電力を供給し、ゼロエミッション運転を行う。

新船に導入する推進システムによるCO2排出削減効果は、天然ガス専焼エンジンの排気ガス中に硫黄酸化物の成分はほとんど含まれず、窒素酸化物の排出量は規制値を大きく下回る。主要航路の尻屋岬(青森県)と室蘭(北海道)では、地球環境にやさしいゼロエミッション運転を行う。

新船の建造については、環境省地球環境局と国土交通省海事局による21度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金「社会変革と物流脱炭素化を同時実現する先進技術導入促進事業(うちLNG燃料システム等導入促進事業)」に採択されている。

■下北丸後継新船の概要
載貨重量トン数:5560トン
全長:93.8メートル
型幅:18.2メートル
型深:9.9メートル
推進装置:天然ガス専焼エンジン(8L30KG)、バッテリハイブリッドシステム