荷主出光興産は6月30日、北海道製油所のプロダクションセンターで進めていたZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化工事を完了し、本格運用を開始したと発表した。既存建築物の改修を主体とした取り組みとしては国内でも先進的な事例であり、北海道製油所におけるCNXセンター化構想の一環としてエネルギー効率の向上を図る。

▲導入した太陽光発電設備(出所:出光興産)
プロダクションセンターは、原油の受け入れから石油製品の出荷までを24時間体制で集中管理する施設で、製油所内でも最もエネルギー消費量が大きい。今回の改修では、高効率な空調、換気、給湯、照明設備へ更新するとともに、太陽光発電設備を導入し、省エネルギーと創エネルギーを組み合わせた施設へ転換した。
設計段階ではエネルギー削減率109%を達成し、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)の最高評価となる5つ星の「ZEB」認証を取得した。既存建築物を改修して認証を取得した点に加え、北日本地域では最大規模の既存建築物ZEB化改修になるという。
設備更新により年間4763ギガジュールの省エネルギーを実現し、改修前と比べて消費エネルギーを56%削減した。さらに、製油所内の駐車場に出力726kWの太陽光発電設備を新設し、残る消費エネルギーを賄う創エネルギー設備として活用する。
また、製油所は燃料や石油製品の安定供給を支える重要な拠点であり、操業管理施設の省エネルギー化はエネルギー供給インフラの持続可能性向上にもつながる。24時間稼働する中枢施設の効率化によって、安定操業と環境負荷低減の両立を図る。
同社は中期経営計画(2026-2030年度)で製油所や事業所を低・脱炭素エネルギー・素材の供給拠点へ転換する「CNXセンター化構想」を掲げている。北海道製油所では今回のZEB化に加え、CO2の回収・貯留(CCS)やグリーン水素、合成燃料の製造など次世代エネルギーの社会実装に向けた検討も進める。
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