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インド投資10兆円へ、大使館が優遇措置を解説

2026年7月1日 (水)

イベント駐日インド大使館は6月30日、日本企業を対象に、インド進出・拡大に向けた財政型・非財政型インセンティブ(優遇措置)を解説するセミナーを開催した。

今後10年間で日本からインドへの民間投資額を「10兆円」に引き上げるという両国政府の野心的な目標達成に向け、ビジネス環境の継続的な改革をアピールし、多種多様な分野での投資促進を図る狙いだ。

グローバルな投資競争が激化するなか、この10兆円目標を達成するためには、中央政府および各州政府が提供する具体的な優遇措置の戦略的活用が不可欠となる。

パネルディスカッションでは、デロイトトーマツのパワンクマール・クルカルニ氏がモデレーターを務め、投資インセンティブの最新トレンドを議論した。同氏は、インドおよび各州が日本企業を誘致するために競い合っている現状を指摘。

▲デロイトトーマツのパワンクマール・クルカルニ氏

その上で、インドへの進出目的が従来のコスト削減から高度な人材獲得へとシフトしていることに触れ、自社の投資計画に合わせた「特定分野へのカスタマイズ型インセンティブ」をいかに引き出すかが、現在のインド投資戦略において重要な要素になると説明した。

同じくデロイトトーマツの三浦正暁氏は、インセンティブ獲得に伴うリスクとガバナンスの視点を提示した。三浦氏は「インセンティブの安定的な獲得には、現地法人に任せきりにせず、投資の初期段階から日本本社が深く関与することが重要だ」と強調。さらに、人事や法務などのクロスファンクション(部門横断)で連携し、適切なドキュメンテーション(書類管理)と要件管理を行うことが不可欠であると訴えた。

▲デロイトトーマツの三浦正暁氏

また、インドにおける投資誘致について2つの州政府代表者が、それぞれの物流インフラや具体的な優遇措置を説明した。東海岸の物流ハブであるアンドラ・プラデシュ州政府は、1053キロに及ぶ海岸線を活かし、複数の港湾を中心とした包括的な物流ネットワークの構築を進めている。

同州は強力な財政支援として、新規プロジェクトに対し資本補助金を提供するほか、脱炭素化や雇用創出への追加補助も用意している。非財政面では、日本の産業界の要望に合わせた独自の教育カリキュラムを現地で実施し、日本企業への高度人材供給を後押しする方針を示した。

一方、西海岸に位置するグジャラート州政府は、国内最長となる2340キロの海岸線を誇る。デリー・ムンバイ産業回廊(DMIC)の4割が州内を通過し、日印共同の新幹線プロジェクトも進行中であるなど、抜群のインフラ環境をアピールした。

同州は非常に手厚い財政インセンティブを提示しており、電子機器・半導体分野などの投資に対して補助金を支給する。さらに、定期ローンへの利子補助や電気税免除、物流補助金なども支給する方針だ。非財政面では「ワンストップ許認可手続き」を導入し、日本企業の進出ハードルを大幅に下げている。

最後に、同大使館のナヴィード・トランボ経済担当一等書記官が閉会の挨拶に立ち、セミナーで提示された各種インセンティブの概要が、今後の日本企業のインド展開において極めて有益な情報となることに期待を寄せた。

▲インド大使館のナヴィード・トランボ経済担当一等書記官

また、今後も大使館で開催するイベントを通じて、日印両国の強固な経済連携をさらに継続・発展させていきたいとの意向を示し、セミナーを締めくくった。(菊地靖)

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