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三菱商事都市開発、大阪で物流施設を22年秋着工へ

2021年10月6日 (水)

拠点・施設三菱商事都市開発(東京都千代田区)は6日、大阪府吹田市に物流施設開発用地を取得したと発表した。2022年秋に着工し、23年末に完成する予定だ。

計画地は、大阪府中心部に至近で、大阪府北部エリアや尼崎方面の市街地へのアクセスが良好で、物流開発用地として好ましい立地だ。四方を消費地に囲まれていることから周辺労働人口も豊富であり、最寄り駅も徒歩圏であることから雇用確保の面でも優位性がある。名神高速道路を経由して、関西各地をはじめ中国・四国や中部地方など広域アクセスも利便性が高い。

関西圏は物流施設の空室率が低い水準で推移するなど、需要の高止まりが続いている。三菱商事都市開発は、今後も三菱商事グループで長年培った物流施設の開発・運営ノウハウ、情報力を駆使して、テナントや投資家のニーズに沿った優良な物流施設を供給すべく、継続して開発事業を進める。

■物流施設開発の概要
所在地:大阪府吹田市南吹田4-4500-21他
敷地面積:3万6139.18平方メートル
交通:名神高速道路「豊中インターチェンジ(IC)」5.2キロメートル、JRおおさか東線「南吹田駅」徒歩15分、JR東海道線「東淀川駅」徒歩15分、大阪市営地下鉄・北大阪急行電鉄「江坂駅」徒歩15分

内陸部で加熱してきた関西圏の物流施設開発

関西圏における物流施設の開発が活発になってきた。湾岸部と内陸の幹線道路沿いに明確な集積エリアが存在する首都圏と異なり、分散立地の傾向にある関西圏の物流施設だが、ここに来て内陸部での開発が目立ってきた。

大阪府北部の「北摂エリア」は、名神高速道路をはじめとする関西圏を貫く幹線道路が走る交通の要衝だ。大阪国際(伊丹)空港も近く、大阪湾岸エリアと比べてもトラック輸送の観点で利便性が高い。関西企業を中心とした製造拠点が多く立地するエリアでもあるが、こうした企業が製造拠点の再配置を進めたことで生まれた敷地が、物流施設に生まれ変わる事例も出てきた。

さらに、国際文化公園都市(彩都、大阪府茨木市・箕面市)の開発で、新たな物流施設の建設用地を確保できるようになったのも大きい。新名神高速道路が部分開通して、改めて北摂エリアが注目されるようになった。

経済の東京一極集中が叫ばれて久しいが、依然として東京・大阪間の物流は、全国で最大の物量を誇る。アフターコロナの物量増を見据えて物流施設の開発ラッシュが続く首都圏と比べて、やや出遅れ感も否めなかった関西圏の物流施設ネットワークが、ようやく注目されてきた。今回の三菱商事都市開発による新規開発案件も、こうした機運を反映したものと言えるだろう。物流施設の分散による相互連携機能の弱さが指摘されるなかで、関西圏の物流施設開発の行方を注目していきたい。(編集部・清水直樹)