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近鉄エクス、世界経済回復を受けて通期上方修正

2021年11月10日 (水)

(出所:近鉄エクスプレス)

財務・人事近鉄エクスプレスは10日、2022年3月期の通期連結業績予想を上方修正すると発表した。ことし5月12日公表の前回予想数値について、営業収入を6300億円から8800億円に、営業利益を317億円から500億円に、経常利益を307億円から510億円に、親会社株主に帰属する当期純利益を192億円から330億円にそれぞれ引き上げた。

第2四半期連結累計期間は、新型コロナウイルス感染拡大による経済停滞からの回復が顕著となり、旺盛な輸送需要が続いた。さらに、前期より続く航空・海上貨物輸送スペースの供給不足を背景とした運賃原価及び販売価格の上昇により、収益が増加基調で推移した。第3四半期以降も、新型コロナウイルスの感染状況や半導体不足などによる製造業への影響など世界経済の先行きが不透明な状況ではあるものの、グループ事業においては良好な事業環境が一定程度継続するものと判断し、上方修正に踏み切った。

こうした経営状況を踏まえて、2022年3月期の配当予想も修正。第2四半期末の配当について、1株あたり20円の予想を修正し40円としたほか、期末配当予想も30円から60円に引き上げた。年間配当は当初予想の50円から100円になる。

(出所:近鉄エクスプレス)

10日発表した2022年3月期第2四半期累計連結決算は、営業収入が前年同期比60.8%増の4240億9900万円、営業利益が同89.9%増の247億300万円、経常利益が同90.9%増の256億2900万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同98.2%増の161億7000万円で、第2四半期累計期間では3年ぶりの増収増益だった。

国内の営業収入は前年同期比63.4%増の1058億6000万円、営業利益は同44.6%増の44億8800万円で増収増益だった。航空貨物は輸出入ともにエレクトロニクス関連品の取り扱いが好調だった。海上貨物は建設機械関連品などの輸出が好調で業績をけん引した。

東アジア・オセアニアは、営業収入が同71.3%増の977億4400万円、営業利益が同27.4%増の70億7700万円で増収増益。東南アジアは営業収入が同2.0倍の733億200万円、営業利益が同69.0%増の51億3900万円で増収増益だった。いずれもエレクトロニクス関連品を中心に好調だった。

米州は営業収入が同64.8%増の438億4500万円、営業利益が同2.9倍の49億5100万円で増収増益だった。航空貨物は化学品の輸出や自動車関連品の輸入が増加した。海上貨物はエレクトロニクス関連品が堅調だった。欧州・中近東・アフリカは、営業収入が同51.7%増の265億2000万円、営業利益が同3.4倍の15億8500万円で増収増益だった。航空貨物はヘルスケア関連品、海上貨物では産業・建設機械関連品の輸出入がそれぞれ増加した。