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日野、LA港水素モデル事業化へ実証実験に参加

2021年12月22日 (水)

環境・CSR日野自動車は21日、北米ロサンゼルス(LA)港における港湾水素モデルの事業化に向けた実証実験に参加すると発表した。日野は主に燃料電池(FC)トラックの製作・運用などを担当する。今回のFC大型トラックの開発および導入に向けた実証実験を通じて、これらの取り組みを加速し、「豊かで住みよい持続可能な社会」の実現に貢献していく。

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の水素社会構築技術開発事業の公募において「北米LA港における港湾水素モデルの事業化に向けた実証実験」が採択を受けたことによるもの。今回の実証実験は、日野が豊田通商、Toyota Tsusho America(豊田通商アメリカ)、三井E&Sマシナリー(東京都中央区)、米PACECO CORP.の4社と共同で、2022年2月から26年3月にかけて段階的に実施する。

実験の背景には、LA港および隣接するロングビーチ(LB)港で、ディーゼル機材の使用による大気汚染が長年問題視されていたことがある。これを受け、港湾荷役機械や港湾を起点にコンテナ輸送を行うトラックなどをゼロエミッション化する計画が打ち出された。

LA港とLB港は全米随一のコンテナ取扱量を誇り、太平洋側の海上貿易における重要拠点だ。コンテナ取扱量を維持しながらゼロエミッション化を目指すためには、長時間の稼働と短時間の燃料供給が可能な水素燃料電池モデルが、ディーゼル機材の代替として有望視されていた。

実験では、港湾荷役機械とトラックの水素燃料電池化および港湾に特化した地産地消型クリーン水素モデルの構築に向けて、実使用環境下での継続的な実証実験を通じて行う。

日野はFCトラックの製作・運用、分析を担当。FC大型トラックを用いて、実使用環境下における本格的な走行を通じて運行データを蓄積・分析し、現行のディーゼル車両と比較した安全性や運行のパフォーマンスなどを分析する。

▲実証実験で使用するFC大型トラック(出所:日野自動車)

日野は、中長期経営戦略「Challenge 2025」において、CO2排出量の大幅削減を通じて顧客や社会に価値提供することを目指している。「日野環境チャレンジ2050」(2017年発表)で環境負荷ゼロへのチャレンジを掲げており、2021年4月には中間目標となる「日野環境マイルストーン2030」を設定、カーボンニュートラルの実現に向け取り組みを加速する。こうした方針に基づき、米国においては車両のゼロ・エミッション化プロジェクト「Project Z」を推進している。