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日新・京セラ、国際物流で容器の位置を常時把握

2022年1月11日 (火)

(イメージ)

ロジスティクス日新は11日、低消費電力IoT機器とクラウドプラットフォームを活用し、日本とインドネシア間で行われた物流容器のリアルタイム位置情報サービスに関する実証実験に参加した、と発表した。

日新は国際物流で利用されることを想定したリターナブル容器の開発、運用、システム管理をパッケージとした「HACOLab.」(ハコラボ)を展開しており、今回の実証実験では、親和パッケージ(神戸市東灘区)が製造したリターナブル容器に、京セラコミュニケーションシステム(KCCS、京都市伏見区)のIoT機器を組み込み、日本とインドネシアを海上輸送で往復輸送させた。

日本貿易振興機構(JETRO)が公募する「海外サプライチェーン多元化等支援事業」として採択された「国際物流・交通混雑緩和に資する位置情報サービス基盤構築実施可能性調査」の取り組みとして、KCCSが主体となって実施した実証実験に参加したもの。

実験では親和パッケージが輸出者、PT親和インドネシアが輸入者となり、日本とインドネシアの拠点間の一貫輸送を実施。往路はリターナブル容器に輸送貨物を積載してFCL(20フィートコンテナ)で輸送し、復路は海上混載(LCL)で空容器を返送した。

KCCSが提供するシグフォックス通信ネットワークでリターナブル容器の位置情報を捕捉し、IoT位置管理サービス「IoTトラッカー」に連携させることで、国際間でリターナブル容器の所在と移動履歴がシームレスで可視化できるかを確かめた。

また、IoTトラッカーのジオフェンス機能を活用し、指定された各拠点の搬出入のイベント情報をタイムリーに把握できるかを確認。IoT機器に付属するボタンを活用し、配達先でリターナブル容器が空となったことを関係者にメール通知した。

▲実証実験のイメージ(出所:日新)

日新は今回の実証実験について「各国とも通信状況はほぼ良好で、各拠点にIoT機器付き物流容器が到達したことはジオフェンス機能を使って確認できた。国際間の輸送で物流容器の移動を検知できたことは、機材の利用状況を正確に把握できるため、貨物の滞留や紛失など事故の発見に使える可能性があることが考えられる」「物流容器の空き状態を通知するために行った検証(ボタン押によるイベント処理)では、通知イベントの受信が確認できた。今後、物流容器管理システムとの連携を行うことで、物流容器の空き情報を元に効率的に活用することが可能だと考えられる」と評価。

将来的には位置情報だけでなく、輸送状態(温度・湿度、衝撃)を把握するセンサー機能を搭載することで、医薬品や精密機器など、厳格な輸送管理が必要な輸送貨物に対応する「スマートリターナブル容器」のサービス開発に取り組んでいく考え。