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意識せずに行動できる手法初導入、GLP広島II着工

2022年1月14日 (金)

拠点・施設日本GLPは14日、広島市中区に同社としては初めて「ナッジ手法」を採り入れる物流施設「GLP広島II」の起工式を行ったと発表した。総開発費は100億円で、2023年1月の完成を目指す。

ナッジ手法は、たとえば階段一段ごとに消費カロリーを表示するなどして人があまり意識せず行動できるように促す手法で、物流施設にこうした手法を導入することで、施設で働くテナントの従業員の健康増進、テナント企業の従業員確保につながるサポート、混雑回避などに役立てたい考え。

▲起工式の様子(出所:日本GLP)

導入に際しては、建築家で千葉大学予防医学センター特任准教授の原裕介氏に監修を仰ぎ、ナッジの考え方に基づくサインや意匠デザインを庫内・共用部に採用。施設内で働く人の健康に配慮しながらも、生産性を高める快適な就業環境を整備する。

同社は「アメニティや内装にも高い快適性を追求し、メザニン付き休憩所や屋上テラスを設置し、空間の広がりを確保し従業員の心身の健康に配慮した施設づくりを目指す」(日本GLP)としている。

▲施設内イメージ(出所:日本GLP)

GLP広島IIは、周辺の3PL企業のニーズを捉えて幅広い荷種に対応する汎用性の高いマルチテナント型で、最大4テナントが入居可能。高度なマテハン設備の導入、倉庫の自動化に向けた装備に対応し、外壁や屋根部分には強風対策・塩害対策を施すことで、建物の耐久性向上を図る。「アフターコロナ」を見据え、事務所拡張や従業員休憩室の拡張が対応可能な施設仕様とする。

運営開始後は利用企業の生産性向上ニーズに対し、従業員が不在時でも荷物を格納できる置き配バースを導入する。倉庫営業開始前から荷下ろしできる機能として提供し、トラック待機問題の解消、輸送コストの削減と効率化を促す。テナント不在時でも庫内監視カメラを使ったセキュリティの補足や荷姿確認システムを導入し、物流オペレーションの安心・安全を確保する。

環境配慮面では太陽光自家消費をテナントに無償還元することで電気代削減につなげ、補完としての再生可能エネルギーの購入と合わせて再生エネルギー100%の達成を目指す。

BCP面では、地震対策として耐震性能の高いブレース材を採用し安全性を確保するほか、浸水や液状化対策を講じ、高い事業継続性を確保。日本GLPが開設したコンシェルジュサービスのパートナー企業とも協力して、入居企業の利便性を高める。

現地は山陽自動車道宮島スマートICから16キロ、広島高速3号線観音ICから1.9キロ、吉島ICから2キロ、広島港から4キロと、広島県内だけではなく近畿、中国、四国、九州地方をつなぐ西日本の物流拠点として広域配送に適した立地。

広島電鉄江波駅から1.5キロ、JR広島駅から7キロ、広島バスセンターから6キロと通勤の利便性も高く、周辺には住宅地が広がり、県庁や市役所が5キロ圏内に位置するなど、雇用を確保しやすいのも特徴だ。

日本GLPでは「広島エリアの工業集積地帯であり、製造業や3PL企業からの先進的物流施設への需要が強く、今後も堅調な需要が続く」とみている。

施設概要
施設名:GLP広島II
所在地:広島市中区江波南2-1461-1
土地面積:2万3000平方メートル
延床面積:5万平方メートル
構造:地上5階建て(1-4階は倉庫、5階は休憩所)、耐震造
着工:2022年1月
完成:2023年1月
取得する認証:CASBEE(新築)認証、ZEBReady認証、BELS認証