財務統計21年、経済回復で輸出入とも3年ぶり増加

調査・データ財務省が20日発表した2021年の貿易統計（速報）によると、輸出総額は前年比21.5％増の83兆931億円、輸入総額は24.3％増の84兆5652億円となった。輸出入ともに3年ぶりに増加に転じた。差引収支は1兆4722億円の輸入超過で、2年ぶりの赤字だった。

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済の停滞が顕著だった20年からの回復基調が鮮明になった。輸出は鉄鋼（48.1％増）や半導体など製造設備（33.2％増）、自動車（11.9％増）が伸びた。輸入は非鉄金属（64.3％増）や原粗油（49.1％増）、LNG（液化天然ガス、33.1％増）が拡大した。

地域別では、輸出は米国と欧州、アジアで3年ぶり、中国は2年連続で増加した。米国では建設用・鉱山用機械、欧州とアジアでは鉄鋼、中国では原料品が大きく伸びた。輸入は米国とアジア、中国が3年ぶり、欧州が2年ぶりに増加。米国ではLNG、欧州は航空機類、アジアは非鉄金属、中国は有機化合物が拡大した。中国では織物用糸や繊維製品の落ち込みが目立った。

差引収支は、米国で2年ぶり、アジアでは2年連続で黒字幅が拡大した一方で、欧州は10年連続の赤字。中国は2年連続で赤字幅が縮まった。