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南アでワクチン生産・物流強化、独シーメンス

2022年2月21日 (月)

国際独シーメンスは21日、アフリカ向けのワクチン生産を強化するため、独投資公社、アフリカの大手医薬品製造会社であるアスペンファーマケアと共同の取り組みを立ち上げると発表した。南アフリカの製薬産業の国際競争力を強めることで、ほかの病気や将来の伝染病に対するアフリカ諸国の抵抗力を向上させる狙い。

(イメージ)

このプロジェクトに先立ち、独連邦経済協力開発省(BMZ)は、投資公社に対してアフリカ内でワクチン製造能力を確立するための資金提供を要請。デジタル技術を活用し、ゲバーハ(旧ポートエリザベス)にあるアスペンの製造施設で新型コロナウイルスワクチンの製造を行う。アスペンは、アフリカ初の新型コロナウイルスワクチンのライセンス生産権を得る手続きを進めており、早ければ4月にも供給を開始する。実際の製造はアスペンが受け持つ。

シーメンスのデジタル技術を導入してアスペンの製造プロセスを効率化し、エネルギー効率、製品の追跡、生産ネットワーク全体の集中管理を高めるとともに、物流・サプライチェーン品質を向上させる取り組みとして、エネルギー監視装置、流量計、温度センサーも追加導入する。東ケープ州のゲバーハにあるアスペンの生産施設では、効果的に拠点を維持するためのトレーニングやスキル開発も行う。

アスペングループのスティーブン・サード最高経営責任者は「アフリカでは、必要なワクチンの99%を輸入しているためワクチン供給に制約があり、新型コロナウイルスが蔓延する中、世界的に見て不公平なほどワクチンを入手できていないことが浮き彫りになった。アスペンは、ヤンセンの新型コロナウイルスワクチンをすでに1億回分以上製造しており、2021年11月には拘束力はないものの、アスペンの自社ブランドであるアスペンノバックスをアフリカで製造・販売するための契約を締結した。これによってアフリカ向けに、アフリカで製造された新型コロナウイルスワクチンを提供できる」と、シーメンスなどとのワクチン協業の意義を強調した。