ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

ピーエムティー、AGV最適導入台数試算ソフト開発

2022年3月7日 (月)

(イメージ)

サービス・商品ピーエムティー(福岡県須恵町)は7日、CPFusion(シーピーフュージョン、東京都千代田区)と共同開発のAGV最適導入台数シミュレーションソフトウェアを、東京ビッグサイト(東京都江東区)で3月9日から4日間開催される「2022国際ロボット展」で披露すると発表した。CPフュージョンのコア技術を活用したソフトウェア「CPFusion IDE for AGV」を紹介。仮想テスト環境においてAGV(自動搬送ロボット)の導入環境の最適化を図る機能を来場者に訴求する。

リアル空間にある情報をIoTなどで集め、送信されたデータを元に仮想空間でリアル空間を再現する「デジタルツイン技術」を駆使し、仮想空間に実際の導入環境を再現することにより、レイアウトや導入台数といった生産性に影響を与える条件について事前に検証することが可能。AGV導入を検討する際に課題となる、費用対効果の最大化や現地試験・調整期間の削減を図ることができるほか、システムインテグレーターにとっては受注までの期間短縮を図れる利点もある。

ピーエムティーは、優れたAI(人工知能)やデジタルツイン技術を持つCPFusionとともに、AIによる最適条件導出の高速化や、現実をモデル化したシミュレーション、その結果と現実世界における乖離の最小化を目的としたソフトウェアの開発に着手。AGV最適導入台数のシミュレーションを実現できるソフトウェアを開発し、今回の展示会で実演する。

物流DX化は先進機器の「使い方」を最適化する新たなフェーズに入ったのか

物流現場の業務効率化を目的としたDX(デジタルトランスフォーメーション)化が叫ばれて久しい。物流業界に参入余地があるとみたIT・エレクトロニクス関連をはじめとする、あらゆる領域の企業が、先進的なロボットやシステムを相次いで開発し投入する動きがここ数年、顕著になっている。一方で、こうした先進機器の導入方法をめぐる最適化の動きが顕著になってきたことは、国内における物流DX化が新たな殻を破り、一段先の成熟期に入ったとの印象を強くする。

EC(電子商取引)サービスの急速な普及に、新型コロナウイルス禍による宅配需要の拡大が重なって、消費スタイルの多様化が急速に進んだ。「新しい生活様式」の時代を迎えて、物流現場は取り扱う荷物の物量増と少量多種類化、さらに繁忙期の恒常化でパンク寸前の状態だ。そこに先進的なシステムを導入するとしても、とても最適な判断を現場が下せるとは思えない。

こうした先進機器の投入を第1フェーズとするならば、第2フェーズがこうした機器の稼働を最適化するオペレーションだ。2022国際ロボット展でピーエムティーが披露するAGV最適導入台数シミュレーションソフトウェアの開発は、まさにこのフェーズを象徴する取り組みだ。先進技術の導入から最適活用へ。家電や自動車などが普及していった道筋をたどれば、どれも同じ系譜を歩んでいる。物流DX化も、例外なく同じ階段を昇っていくのだろう。(編集部・清水直樹)