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JR貨物、コロナ禍の輸送減や大雨運休で最終赤字に

2022年5月13日 (金)

財務・人事日本貨物鉄道(JR貨物)が13日発表した2022年3月期連結決算は、営業収益が前期比0.4%減の1866億5500万円、営業利益が41.2%減の14億8400万円、経常利益が80.9%減の2億7700万円、親会社株主に帰属する当期純損益が14億2800万円の赤字(前期は6900万円の黒字)だった。

主力の鉄道ロジスティクス事業は、営業収益が前期比0.6%増の1680億円、営業損益は92億円の赤字(前期は79億円の赤字)だった。

輸送量は、新型コロナウイルス感染症に伴う需要低迷に加えて、2021年8月の大雨による中央線・山陽線の不通、北日本地区で相次いだ雪害の影響を受け、積合せ貨物や紙・パルプ、化学工業品、化学薬品を除く品目で前年を下回った。

品目別では、食料工業品が飲料を中心に飲食店の営業制限などにより減少したほか、農産品・青果物は北海道地区の干ばつによる作柄不良に伴いたまねぎやバレイショを中心に大幅な落ち込みとなった。自動車部品は半導体不足や東南アジアでの新型コロナウイルス感染拡大で部品調達不足が発生したことにより、それぞれ前期実績を下回った。

積合せ貨物は、2021年3月と10月からのブロックトレイン運転開始が奏功したほか、紙・パルプも前期の大幅な減産の反動で増加。結果としてコンテナ全体では前期比1.9%減少した。車扱は、石油がコロナ禍に伴う外出自粛の影響により前期を下回ったものの、炭酸カルシウムなどその他の品目で上回り、車扱全体では前期とほぼ横ばいだった。コンテナ・車扱の合計では前年度比1.3%減少した。

2023年3月期の連結業績は、営業収益2006億円、営業利益61億円、経常利益54億円、親会社株主に帰属する当期純利益28億円と最終黒字への転換を予想している。