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関光汽船、中韓から首都圏へフェリー一貫輸送開始

2022年5月24日 (火)

ロジスティクスSHKライングループの関光汽船(山口県下関市)は24日、中国や韓国から輸入した貨物の首都圏への混載輸送サービスを開始したと発表した。

SHKライングループのフェリーを活用。中国の蘇州・太倉から「蘇州下関フェリー」で、韓国の釜山から「韓釜フェリー」で到着した輸入貨物を下関港で集約。トレーラーで混載して「東京九州フェリー」で横須賀港に運ぶ。SHKライングループのこれらのフェリーに加えて、中国や韓国のフェリー路線も組み合わせることで、国際・国内複合一貫輸送を実現する。

▲中韓から横須賀港への複合一貫輸送ルート(出所:SHKライン)

中韓から首都圏までのフェリー輸送を一貫して担う体制を構築することで、新たな海上ルートを構築。二酸化炭素排出量の削減効果も訴求することで新たな顧客獲得につなげるほか、働き方改革関連法によってドライバーの労働時間に上限が設定されることで生じる「物流の2024年問題」へも対応する。

環境対応に積極的に取り組む繊維商社の豊島(名古屋市中区)が中国から関東向けのアパレル製品の輸入でサービスを活用。関光汽船は、高速かつ高品質な輸送が求められる雑貨・精密機器などへ取扱貨物の対象を拡大していく。

長距離フェリーは国際貨物の輸送モードとして十分機能することを実証したSHKライングループ

中継拠点に荷物を集約し、積み替えてリレー輸送を行う――。トラック輸送の得意技である「集約」「混載」輸送に、長距離フェリー事業者が着目した。海上輸送でも発想次第で十分実現できる取り組みであることに気づく。

関光汽船は、SHKライングループの豊富な長距離フェリー航路を組み合わせることで、一隻ではなかなか難しい長距離フェリーでの中韓から首都圏への輸送をリレー方式で実現した。依然として続いている海上輸送における混乱に加えて、ウクライナ情勢の緊迫化による国際輸送リスクの顕在化は、こうした長距離フェリーによる輸送を後押しする要因になっている。

▲横須賀・新門司間を航行する東京九州フェリーの「はまゆう」

手段の多様化や環境対応など、様々な要因が重なり合って、従来の固定観念を打破した輸送モードの創出の動きが広がってきた。長距離フェリーは、まさにこうした動きで恩恵を受けている輸送モードの一つだろう。

社会の動きを反映した輸送のあり方を常に考えて、迅速に活用できるリソースを集めて具現化する。SHKライングループの取り組みは、まさに長距離フェリーが国際貨物輸送モードとして機能する事実を示した意味で、大きな意義がある。(編集部・清水直樹)

経済合理性で物流課題を解決、フェリー貨物輸送