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ドローン社会体験、プロドローンが複数のデモ飛行

2022年7月8日 (金)

▲雨天での開催となった「DRONE EXPO 2022 in Aichi」の初日でデモンストレーションを行う豊田市消防本部(出所:プロドローン)

ロジスティクス産業用ドローンメーカーのプロドローン(名古屋市中区)は8日、愛知県豊田市で5、6日に同社が開いたイベント「DRONE EXPO 2022 in Aichi(ドローン・エキスポ・イン・愛知)」で行った展示の様子を発表した。物流用途に関しても、医療品や重い荷物を運ぶデモンストレーション飛行が行われ、ドローン技術を前提とした社会の到来が間近であることを印象付けた。

同イベントは7月5日から6日にかけて、豊田市の藤岡ヘリポートで開かれた。「日本初、これがドローンが飛び交う近未来だ」といううたい文句で、ドローン前提社会を体験することを主眼にした。同社が主催し、KDDIスマートドローンや名古屋鉄道などが協力した。

▲クオールHDの医薬品物流ドローン

物流用途では、クオールホールディングス(HD)が医療品運搬ボックスや20キロの重りを積んでデモ飛行を行った。医療品運搬ボックスは、トッパン・フォームズ(東京都港区)が開発したもので、温度管理や位置情報管理ができる。クオールHDのDX・AI推進室の樫尾浩幸室長が解説を行い、同社が山間部・離島など、地方の医療リソースが届かない「不便」「不利」「不安」の解消を行う目的で、通常時・緊急災害時を想定した医薬品のドローンによる配送の整備に向けた実証を行っていることを紹介した。デモで使用した機体のPD6B-Type3については、重い経口補水液や栄養ドリンクなどを運搬するのに最適と説明した。

次に、プロドローンCTOの菅木紀代一氏が、開発中の重量物運搬ドローンのデモを行った。40キロ以上の荷物を運搬できる機体で、羽が12枚ある。荷物を持ち上げてしばらく飛行し、荷物を放した後、スタート地点に戻って着陸した。同社は将来的には50キロの荷物を積んで50キロの距離の移動を目指しているという。同社は全天候型ドローンのデモ飛行も行った。一連のフライトを見た来場客から、飛行の安定性について高い評価を受けたという。

▲機体の安全性能を発表するプロドローン開発部長の伊藤聖人氏(右)

このほか、プロドローンによる監視用、物流用の2機の同時フライトも行われた。物流用機体が左右2つのカーゴバッグに血液パックや緊急医療セットを入れて飛んだ。

物流用途以外でも、測量や災害時の救助者の位置確認などのシーンを想定したデモが行われた。プロドローンの伊藤聖人開発部長は、機体のコンピューターが異常を起こした場合の他の搭載機機によるフェイルセーフ(安全制御)技術を開発中であると説明し、年内に実用する予定だと発表した。