調査・データ帝国データバンク(TDB)は1日、飲食料品の価格改定計画についての8月次の調査結果を発表した。ことしに入ってから値上げを実施または計画した飲食料品は7月末時点で累計1万8532品目となった。値上げは今後も続く勢いで、ことしは2万品目超えが確実という。夏以降は原材料費の上昇に加え、急激な円安による輸入コストの上昇を理由とするケースも目立っている。
発表によると、この調査は、上場飲食料品メーカー105社を対象に行った。ことしに入ってからの値上げは、7月末時点で8058品目で実施済み。8月に値上げされる商品は2431品目に上り、単月で初めて2000品目を超える。10月にはそれを大きく上回る6305品目で値上げが予定されている。
値上げの増加ペースも早くなっている。ことしに入ってから計画ベースで1万品目に達したのは6月1日だったが、それから2か月余の8月中に2万品目を超える勢いだ。
計画ベースで各品目の平均値上げ率は7月末時点で14%と、6月末の調査時点から上昇している。急激に進んだ円安を背景に、夏以降の値上げ品目で値上げ幅が拡大しているからだ。
各社の値上げ要因にもそれが表れている。ことし5月頃までは小麦など原材料価格の高騰が値上げの理由だったが、今回は原油高に伴う包装資材や容器、物流費の高騰に加えて、急激な円安による影響を挙げたケースが多かった。特に、年初に値上げを実施した食品類を中心として円安を理由とした再値上げ・再々値上げが秋以降に集中している。
食品の分野別に値上げ品目をみると、最も多いのは加工食品で7794品目。前月から1000品目超増加し、全品目のうち唯一7000品目を超えた。値上げ率も平均で16%に達し、特に年後半にかけて大幅に値上げする食品が多い。調味料も4350品目と多く、前回調査から約2000品目増加した。だし製品など水産品関連の値上げが相次いでいることに加え、年内に砂糖や食用油が複数回値上げされたことを背景に、マヨネーズ製品などで値上げが顕著だった。酒類・飲料(3732品目)では、10月にビール類や清涼飲料水で一斉値上げが予定されており、値上げ品目数は全分野で3番目に多い。
食品各社の価格改定への抵抗感は、年初に比べて低下しているといい、ちゅうちょなく機動的に値上げを行う企業が出てきているという。