10月食品値上げは2911品目、酒類・飲料最多

調査・データ帝国データバンクは30日、ことし10月以降の食品価格の値上げ動向と見通しに関するレポートを発表した。10月に値上げとなる食品は2911品目で、ことし4月を上回る年内最大の値上げラッシュとなる。特に「酒類・飲料」が多く1年ぶりに1000品目を超えた。また、物流費が原因の値上げも上昇傾向にある。

主要な食品メーカー195社による、家庭用を中心とした10月の飲食料品値上げは、昨年10月と同様、ハム・ソーセージ製品など加工食品やペット飲料などで大規模な値上げが一斉に行われることもあり、ことし4月の2897品目を14品目上回った。

ただし10月単月の値上げとしては缶ビールなどアルコール製品の多くで値上げが見送られたことで、22年の7864品目の4割弱、昨年の4758品目の6割の水準にとどまり、10か月連続で前年同月を下回った。1回当たりの平均値上げ率は10月単月で16％だった。

今後値上げが予定される商品を含むことし通年の値上げ品目数は1万2401品目で、年間の平均値上げ率は17％となった。11月はコメ価格の高騰によるパック米飯製品でまとまった値上げが予定されており、11か月ぶりに前年同月を上回るものの、年末にかけて値上げは沈静化するとみられる。このため、前年の3万2396品目に比べると4割程度の水準にとどまる。

▲食品分野別の値上げ品目数（クリックで拡大、出所：帝国データバンク）

食品分野別にみると、10月はペット飲料を中心とした「酒類・飲料」が1362品目と最も多くなり、全体の46.8％を占めた。酒類・飲料が全食品分野で最多となるのは7月以来3か月ぶりで、1000品目を超えるのは23年10月以来1年ぶりとなる。「加工食品」は673品目で、ハム・ソーセージ製品の多くで一斉値上げとなった。「菓子」は237品目のうち半数以上がチョコ関連製品で占められるなど、引き続きカカオ豆の不作など、ビーンショックの影響が続いている。

同社は、原材料高の影響の長期化や一時1ドル160円を突破するなどした記録的な円安も加わり、粘着的な値上げ圧力が続いていると指摘。しかし、消費者の間では値上げ疲れによる買い控えなどが定着しつつあり、「企業の間でも値上げの見送りや、内容量の減量などで価格を極力維持する傾向が強まっている」としている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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