ロジスティクスANAホールディングス(HD)は23日、2022年度下期(10月30日-3月25日)の輸送事業計画を一部変更し、発表した。国内外での行動制限緩和・経済活動再開の流れに乗り、新型コロナウイルス禍前の運航便数に回復させる。貨物事業では、貨物専用機に加えてチャーター便や臨時便を活用し、増収を図る。
今回の修正は、ことし1月に策定・発表した22年度の期初計画のうち下期部分を修正したもの。以前は変更はまれだったが、コロナ禍以降は流動的な需要に応じて時々行っている。
コロナ禍は依然、収束の気配を見せないが、日本を含む各国が「ウィズコロナ政策」の下で行動制限を緩和したことで航空需要にも明るさが戻ってきている。今回の変更はそれを受けた積極策だ。

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貨物事業では、世界的な巣ごもり需要の拡大で旅客より早く立ち直り、昨今旺盛となっている需要の獲得を目指す。
このうち貨物専用便の定期便は、ボーイング767型または777型のフレイター機を用い、いずれも成田発着のシカゴやバンコク、上海線など16路線で週に2-17往復する。今回の変更点としては、期初計画で運航予定がなかったホーチミンシティ線とハノイ線をそれぞれ3往復、4往復する。ソウル線は2往復増やし6往復する。最多の上海線は2往復増やし17往復する。
このほか、チャーター便や臨時便を飛ばし、また、旅客機を活用した貨物便も積極的に設定する計画で、それらの輸送計画は月ごとに発表する。
旅客便のうち国内線では、すでに7月に羽田発着の全便運航をコロナ後で初めて回復しており、下期も想定される回復需要を取っていく。仙台-沖縄線をグループのLCCであるPeachによる運航からANAによる運航に切り替える。成田-伊丹線と成田-中部線の運航を再開する。
旅客便の国際線については、「さらなる拡大を計画する」としたが、詳細な変更計画は8月30日に発表を先送りした。