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小型RFIDリーダーで人やモノの位置確認、キヤノン

2022年8月31日 (水)

▲RFIDリーダーがRFIDタグを自動的に読み取る(出所:キヤノン)

荷主キヤノンは8月31日、非接触のデータ読み取り技術「RFID」を使って人やモノの位置情報を把握する「Canon RFID 位置情報ソリューション」を開発したと発表した。大手ゼネコン(総合建設会社)の大林組の建設現場で、8月上旬に実証実験を行っており、2023年中に物流業界を含め、さまざまな業種向けに販売する予定だ。

発表によると、開発した一連のシステムのうち、中心的な装置となるRFIDリーダー(読み取り機)は、360度方向に電波を発信するアンテナが付いており、RFIDタグを貼り付けた人やモノの移動量を検知できる。小型・軽量であるため腕に取り付けて使用でき、積極的に読み取り作業をしなくても、通常の現場巡視を行っている間に人やモノの位置情報を収集できる。

▲ほぼスマホと同サイズのRFIDリーダー(左)

専用アプリをインストールしたスマホやタブレットを通して位置情報を自動アップロードすることで、クラウド上に登録した現場マップに表示することも可能。リーダーを持ち運びせずに固定設置して使用することもできる。

RFIDは、電波を用いてタグのデータを非接触で読み取る技術で、近年はアパレル業界で商品在庫管理やセルフレジの場面で使われている。従来のバーコードによる管理では、タグにレーザーを当てて1枚ずつスキャンする必要があるが、電波を使うRFIDの場合は複数のタグを一気に読み取ることが可能となる。

キヤノンは建設現場で建設資材や機材、作業員の所在把握を試し、作業管理の効率化を確認した。物流倉庫など多くのヒトやモノの位置情報管理が必要となる業種で、活用が期待されるという。