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9/7“点呼業務”徹底討論イベント事前企画/登壇各社メッセージ第4回

先進点呼「ハードル」下げて/サンコーテクノ坂口氏

2022年9月2日 (金)

話題LOGISTICS TODAYが9月7日に開催するオンラインイベント「運送会社DXに盲点、“点呼業務”の主要メーカー・販社と徹底討論」。点呼業務支援機器・システム業界の現場や課題、今後の方向性について持論を語ります。

LOGISTICS TODAYは、登壇各社にイベントで発信したいテーマを紹介する事前企画を展開。イベント本番に向けた意気込みと訴求したい内容のヒントを提供します。第4回は、サンコーテクノ機能材事業本部副本部長の坂口正一氏です。

▲サンコーテクノ機能材事業本部副本部長の坂口正一氏

安全運行の管理に欠かせない点呼。その重要性が現場で認識されるようになった契機は、トラックやバスなどの運送事業者の点呼時におけるアルコール検知器使用の義務化にあるのは間違いありません。2011年5月の「飲酒検査の義務化に関する道交法改正」によるもので、もちろん目的は飲酒運転の撲滅です。

飲酒運転による事故の「重み」を輸送の現場に強く印象付けたこの法改正は、点呼そのものの位置付けを大きく変えました。乗務前と乗務中、終了時の3回、記録の残る形での実施が義務付けられ、点呼が「当たり前」のこととして現場で認識されるようになりました。物流における輸配送をはじめとする運送の現場での安全性の向上に大きく寄与したと考えています。

サンコーテクノは当時、主力事業であるアンカーボルトに続く成長軸の一つとして、センサー技術を応用したアルコール検知器分野への参入を進めており、法改正は追い風になりました。その後いわゆる「IT点呼」が広がり始めると、アルコール検知器のユーザーからのIT点呼機器を求める声が高まってきました。アルコール検知器の使用義務化は、IT点呼という概念を定着させる効果もあったのです。

▲サンコーテクノのIT点呼ソリューション使用イメージ

IT点呼は、点呼業務の効率化を促しただけでなく点呼そのものの実施率を高めた意味で、非常に意義のあるシステムと言えるでしょう。ことし4月に制度化された遠隔点呼、さらには将来的なAI点呼やロボット点呼へ。働き方改革関連法による「自動車運転業務における時間外労働時間の上限規制」の適用で運送・物流業界に生じる「物流の2024年問題」への対応を含めた、現場における人手不足やさらなる業務効率化の推進を促す取り組みとして、こうした先進的な点呼の普及は安全運行の確保や現場業務の効率化にプラスの効果をもたらすと考えます。

とはいえ、気掛かりな点もあります。こうした先進的な点呼の導入におけるシステム面でのハードルの高さです。例えば、遠隔点呼はIT点呼と比べて対象が広がりましたが、クリアすべき要件の水準も格段に高まりました。遠隔点呼へのスムーズな移行を期待していたIT点呼ユーザーにとっては、意外な印象を受けたのではないでしょうか。コストや技術的な側面で、遠隔点呼の導入に高いハードルを感じるのは、我々だけではないと思います。

実効性のある点呼に取り組みたいユーザーにとって使いにくい仕組みになりはしないか。輸配送現場における安全の確保を目指す施策であるにもかかわらず、結果として普及が進まず成果が出ないものになってしまうのではないか。それを避けるためにも、遠隔点呼など次世代の点呼の導入における要項をもう少し低いハードルで設定できないか。点呼関連の機器・サービスを手掛ける我々がタッグを組んで、提言していく必要があると考えています。

もちろん、これほどまでに高いハードルをクリアした点呼システムを導入している物流事業者として、「安心」を荷主に訴求できるメリットもあります。遠隔点呼の制度化を一つの契機として、先進的な点呼の普及の「あり方」を関係者同士で議論する時に来ているのではないでしょうか。

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