ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

楽天モバイルが刑事告訴、日本ロジ水増し請求

2022年9月2日 (金)

事件・事故総合物流の日本ロジステック(東京都千代田区)の経営破たん問題で、同社の主要取引先である楽天グループの携帯電話会社の楽天モバイル(東京都世田谷区)は2日、元従業員が日本ロジステックと共謀し、自社に対して不正な請求を行っていた疑いが生じたと発表した。すでに従業員を懲戒解雇し、警察に告訴したという。運輸・倉庫業界で今年最大の企業倒産は、大手EC(電子商取引)グループを巻き込む刑事事件に展開する様相となった。

この問題ではこれまで、日本ロジステック関係者が主要取引先の関係者と結んで代金の水増し請求を行い、水増し分を別の会社に流して双方で分け合っていた疑惑が浮上していた。そのことの発覚が引き金となり、同社の銀行口座の仮差し押さえと民事再生法の適用申請に至っていた。

水増し請求疑惑が2日にも一部で報道されると、楽天モバイルは自社が不正請求の相手企業だったことを明らかにした。発表の中で、「元従業員が取引先と共謀し、当社に対して不正な請求を行い、金銭的利益を得ていた疑いが生じた」とし、「すでに警察に告訴状を提出し、捜査に全面的に協力している」と説明している。当該従業員は8月12日付で懲戒解雇し、その元従業員と日本ロジステックに対し、「刑事上および民事上の責任追及を行っていく予定」としている。

水増し請求の損害額は公表していないが、数十億円に上るとの見方も一部で出ている。

日本ロジステックは、楽天モバイルから携帯電話基地局建設の部材の保管や輸送の業務を請け負っていた。楽天モバイルは統括会社である楽天グループの100%子会社で、2018年に設立され、携帯キャリア事業に参入、基地局建設など通話エリアの拡大を進めてきた。

楽天モバイルは「当社および楽天グループでは不正行為が発生したことを厳粛に受け止め、グループ全体で再発防止に努める」としている。

日本ロジステック代金水増し請求か、負債151億に