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イノフィスなど同業4社、アシストスーツ協会設立

2023年1月10日 (火)

▲イノフィスのEveryマッスルスーツ

荷主東京理科大発ベンチャーでアシストスーツ開発を手掛けるイノフィス(東京都新宿区)は10日、アシストスーツの認知度向上と市場形成を加速させることを目的に、同業他社3社とともに任意団体「アシストスーツ協会」を設立したと発表した。1月20日には国内で初めてとなるアシストスーツに限定した展示体験会「アシストスーツサミット」を東京都内で開催する。

協会に参画したのは、アルケリス(横浜市金沢区)、加地(島根県出雲町)、ダイドー(大阪府河内長野市)。

サミットでは参画企業4社の各社製品を一度に身に着けたり、導入相談ができたりするほか、アシストスーツ導入支援を行う理学療法士の逢坂大輔氏の講演や導入経験者によるパネル討論も行う。

協会ではすでに、業界団体や企業向けに出張合同体験会を実施しており、今後はイベント開催にとどまらず、さまざまな取り組みを検討するという。


▲(左から)アルケリス、加地、ダイドーのアシストスーツ(出所:イノフィス)

アシストスーツは物流現場などで人の手による作業の身体的な負荷軽減が図れる。人手不足や作業効率化への対応が求められるなか、女性や高齢者の就労支援につながるとして導入効果が期待できる。

一方で、実際に製品を体験できる機会が少ないことからサミット開催を決めた。

サミットは代官山T-SITE GARDEN GALLERYで10時30分〜18時に開催する。

アシストスーツ4社が協会設立、個性派が手を組むその「心意気」とは

物流現場におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)は、「効率化」と「作業支援」の2つのアプローチが大きな潮流だ。「省人化」と「省力化」と言い換えてもよいだろう。

いずれも物流現場の抱える構造的な問題である「物量増・多種類化への対応」「有効な人材確保策」を解決に導く戦術として注目される領域であるのは言うまでもない。

ともすれば言葉が先行しがちなDX施策。効率化であれ作業支援であれ、その具体的なアクションの実像については、認知されているとは言いがたいのが正直なところだろう。

なぜか。答えを模索するなかで、それを示唆する取り組みに出会った。「アシストスーツ4社による協会設立」という話題だ。

国内初のアシストスーツ関連企業に限定した展示体験会「アシストスーツサミット」を近く開催するという。その狙いは、協会に参画する東京理科大学発ベンチャーのイノフィスによると「アシストスーツの認知度向上と市場形成を加速させるため」という。

なるほど。DXの取り組みを推進する事業者がその技術の認知力の弱さを懸念するのは、その「独自性」にあるのではないか。独自技術は当然ながら、特許を含めた独創性を高次で担保するものでなければならない。こうした意識が、“同業者”としての合従連衡を強く阻んでいるとしたら――。

そう考えを巡らせると、イノフィスをはじめとする協会設立に関わる4社の発想は、ある勢力には極めて異端な風景と映るだろう。しかし、アシストスーツという物流DXの有力な選択肢になりうる存在を知らしめる、まさに市場形成を図るためには、こうした同業者の結集は確度の高いアプローチであることが分かる。それはあらゆる産業の発展の歴史をひも解けば、一目瞭然だ。

協会の事実上のお披露目となるアシストスーツサミット。4社の技術力もさることながら、まずは各社が協力に踏み切ったその「心意気」を体感したいものだ。(編集部・清水直樹)

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