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中小も「1次請けに」事業承継公募のフジトランス

2023年2月22日 (水)

(出所:フジトランスポート)

M&A幹線輸送を中心に長距離輸送を手掛けるフジトランスポート(奈良市)は22日、全国の物流会社から事業の承継公募を始めると発表した。Visional(ビジョナル)グループで法人・審査制M&Aマッチングサイトを運営するM&Aサクシードと連携。「物流の2024年問題」や燃料費高騰、後継者不足への対応が迫るなか、運送会社との合併などを通じてシナジー効果を高めることで、中継輸送やドライバー確保につなげて課題解消に取り組む。

フジトランスが今回公募するのは「大型トラック(積載重量10トン以上)を保有する中長距離の運送会社」、「トラック整備工場」、「大型トラックが入るガソリンスタンド」で、いずれもM&A対象地域は全国(沖縄県を除く)。期間は5月22日まで。

M&Aサクシードによると、同社が手掛ける案件で物流企業によるこうした取り組みは2020年3月の東亜物流(東京都江戸川区)に続いて2例目。全国規模で複数の企業を対象に公募するのは珍しい試みという。

フジトランスポートはグループ全体で2035年までに大型トラック保有台数5000台、事業所200拠点に現状から倍増させ、売上高1000億円を達成することを目標に掲げている。自力で全国に拠点網などを拡大するとともに、M&Aも同時に推し進めて事業規模の拡大を加速させるのが狙い。

両社が同日開いたオンラインで記者会見には、フジトランスポート執行役員の川上泰生氏とM&Aサクシードの前田洋平氏が出席した。川上氏はM&A候補先について、「キラリと光る企業」と表現。具体的には、中小企業が長距離輸送において帰り荷がないことなどで構造的なコスト問題から脱却できないものの、稼ぐ力を持っているケースを一例に挙げた。


▲(左から)M&Aサクシードの前田洋平氏、フジトランスポートの川上泰生執行役員

その上で、M&Aによるメリットについて「(フジグループの)ネットワークに入ってもらうことで、3次、4次請けから1次請けに変わることができる。整備工場やインタンクを使ってもらい、さらに収益が向上できる」と事業承継のメリットを説明した。「一緒に2024年問題を乗り越えて、日本の物流をさらに広げていく志のもとで一緒にやってもらえる企業がいれば」と呼び掛けた。

フジトランスポートは新型コロナウイルス禍の20年4月以降、M&Aにより10社をグループ傘下に迎えた実績がある。このうち、M&Aサクシードを介して、同社グループに参画したのは運送会社や車両整備業者など計5社。フジトランスポートの2022年のグループ売上高は前年比72億円増の485億円となり、過去最高を更新した。

フジトランスポート、2/22に「承継公募」スタート

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