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トレーラーの位置情報を把握可能に、ドコマップ

2023年3月6日 (月)

サービス・商品ドコマップジャパン(東京都港区)は6日、半導体製品の販売などを手掛けるPALTEK(パルテック、横浜市港北区)とドイツ系自動車部品メーカーのゼット・エフ・ジャパン(ZFジャパン、横浜市中区)の両サービスとデータ連携し、トレーラーの位置情報が管理できる「ドコマップトレーラ」のサービスを始めると発表した。

(イメージ)

パルテックが手掛けるトレーラー専用の静態管理端末「GPSトラッカーR」とZFジャパンの移動体通信システム装置「スカラーエボパルス」とをデータでつなぎ、電源供給が難しかったトレーラーの位置情報を取得。ドコマップの車両位置情報管理システム「ドコマップ」上で確認できるようになる。

発表によると、ドコマップジャパンが実施したトレーラー管理に関する実態調査では、トレーラーの整備や点検などの管理ができている企業が85.4%だった。一方で、配置の適正化に課題感を持つ企業も86.3%に達し、多くの企業がGPS機器への電源供給の対応で苦労しており、ドコマップでも対応できていない領域が位置管理だった。

新サービスは昨年9月からの検証実験を経てリリースされた。ドコマップ上でトレーラーの位置情報が把握できるようになるだけでなく、車軸の軸重や危険挙動の発生といったさまざまな情報をリアルタイムで確認できる。

また複数台の走行軌跡を同時確認できるため、中継輸送の運送スケジュールなどが組みやすくなり、稼働率の改善や業務効率化、環境対応にも寄与するとしている。

パルテックのGPSトラッカーRは、バッテリーで駆動し1日に4回、トレーラーの位置情報を取得する。停車している期間が長いトレーラーの静態管理に最適で、オプション機能を利用すると車両の駐車場所が正確に把握、管理できる機能がある。

▲GPSトラッカーRのサービスイメージ(出所:ドコマップジャパン)

ZFジャパンのスカラーエボパルスはトレーラーに取り付けることで、位置情報は走行中が1分に1回、停車中は15分に1回、さらに車両とトレーラーを切り離した場合は1日に1回取得する。車両と切り離されたトレーラーは半年間にわたり位置情報を受信し続けるのが特徴。

▲スカラーエボパルスのサービスイメージ

物流機能のさらなる最適化を促す「車両管理DX」

物流サービスを展開する上で欠かせないのが、トラックなど輸送用車両の的確な管理だ。自社の業務を担う車両の現在地や状況を適時に把握することで、より最適な輸送計画の策定につなげることができる。

とはいえ、こうした車両管理業務は、それほど高い精度で運用されてきたわけではなかった。ドライバーの裁量に任されていたり、運行管理者の経験に依存していたり。機能的な運行管理を導入していた大手など一部の事業者を除いて、いわゆる「勘」に頼った車両管理が一般的だった。

しかし、少子高齢化や職業選択の多様化などによる人手不足が顕在化する一方で、物流現場における就労環境の改善が社会から強く求められるようになると、車両管理のあり方も抜本的に見直す必要が生まれてきた。いわゆる物流DX(デジタルトランスフォーメーション)の発想により、先進技術を活用した車両管理システムの開発が急速に進むこととなった。

(イメージ)

このたびドコマップジャパンが2社と連携してスタートする車両位置情報管理システムも、こうした動きを象徴する取り組みと言えるだろう。連携する各社の強みを相互に生かすことにより、より付加価値の高いサービスの提供を実現。これまでは困難だった問題の解決につなげる、まさにDXの果たすべき機能の拡充に直結したビジネスの誕生である。

最適な車両管理は、ドライバーのより良い就業環境の確保に貢献するだけでなく、効率的で機動力の高いビジネスの実現を促すことになるだろう。ルート最適化など幅広い観点から、「車両」を取り巻く管理サービスの充実は、物流という仕事に新しい価値観を提供していくことになるだろう。それが「物流の2024年問題」をはじめとする構造的な諸問題の解決に向けたエンジンになるはずだ。(編集部・清水直樹)

PALTEKのシャーシ測位端末、ドコマップと連携

ヘッドもトレーラーも同時に動態管理、ドコマップ

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