ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

SBS、環境・社会へプラス影響評価され350億円調達

2023年3月28日 (火)

ロジスティクスSBSホールディングス(HD)は28日、三菱UFJ銀行とみずほ銀行をアレンジャーとする総額350億円の「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」の融資契約を結ぶと発表した。企業活動の環境、社会、経済へのプラス・マイナスの影響を評価し、ESG(環境・社会・ガバナンス)経営を促進するための金融手法で、物流企業との契約は初めてという。SBSは調達資金でグループの事業を推進するほか、環境や社会の課題解決への企業行動を前進させる。

この融資の枠組みは、持続可能な開発の3つの側面(環境、社会、経済)のいずれかでマイナスの影響が適切に緩和され、プラスの貢献をもたらすことを目指したファイナンスだ。金融機関は融資先企業の事業活動が環境、社会、経済にもたらすインパクトを包括的に評価して融資を行い、ESG経営を金融面から支援する。

SBSによると、こうしたシンジケーション方式によるポジティブ・インパクト・ファイナンスは、物流企業では初めて。総額350億円の融資は借入期間が5年で、A(180億円)とB(170億円)の2本立てで構成される。三菱UFJ銀がAの、みずほ銀がBの各アレンジャーを務め、三井住友銀行が両方のコ・アレンジャーとなる。その下で3行を含む国内15銀行が貸出人として参加する。

ポジティブ・インパクト・ファイナンスでは、国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEPFI)が提唱する金融原則に基づき、金融機関が融資先企業の活動の環境や社会、経済に及ぼす正負の影響を分析・評価し、「ポジティブなインパクトを生み出す意図を持つもの」と確認された場合に、融資が行われる。今回、両行はそれぞれのグループのリサーチ会社2社と開発した評価の枠組みを活用してSBSHDの事業計画などを評価した。
SBSHDは2023年12月期から25年12月期までのグループ中期経営計画「SBSNext Stage 2025」(SBSネクストステージ2025)の中で、脱炭素化や持続可能性の意識の高まり、労働力不足といった環境変化を成長への転換点と捉え、またグループのサステナビリティ方針も定めて、環境・社会・経済の課題解決に取り組んでいる。この中計を踏まえて、気候や雇用など5つの分野別に企業活動のKPI(重要業績評価指標)を設けており、それも今回の融資に際して金融機関側から定性的、定量的に評価された。4分野とは「気候」「雇用」「大気」「資源効率・安全性」で、例えば「気候」では「売上高当たりのCO2排出量」や「次世代自動車の導入」といった評価指標を設け、それぞれ「毎年:前年比3%減」「2028年:EC(電子商取引)向けラストワンマイル車のEV(電気自動車)トラックへの代替推進」といった目標や方針を掲げている。これらは国連のSDGsの目標達成にも沿う活動と位置付けている。

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com