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日報作成に特化した簡易ウェブアプリで手書き脱却

2023年4月4日 (火)

話題タイガーは4月6日に、乗務日報をスマートフォンで作成できるウェブアプリ「モバレポ」をリリースする。モバレポは荷積みや荷卸し、待機・休憩などの乗務日報に必要な事柄をスマホで操作することにより記録。一連の業務完了後に日報形式で出力できる。なお、このモバレポは4月12日からインテックス大阪で開かれる「第4回関西物流展」で、製品の展示やデモを行う予定。会場ではスマホの貸し出しも行い、さまざまなことを体験できるとしている。

6割の企業に未だはびこる、日報の手書き作成業務

乗務日報は手書きで作成されていることも多く、ドライバーの負担となっているほか、紙の乗務日報をシステムなどに取り込むため、紙からデータへの転記の際にミスが生まれることが多く、確認の工数や内容の精査などで事務員や管理者にも負担となっていた。担当者によると、先日タイガーが開いたセミナーで行ったアンケート(有効回答数68件)にて、手書きで乗務日報を作成している企業が27%、デジタコでの生成と手書きが混在している企業が34%に上り、一部でも手書きによる乗務日報の作成を行っている企業が60%にも上る結果が出たという。

「誰でも」「簡単に」をコンセプトに設計されたモバレポ

このような実態を踏まえ、モバレポではスマホを活用して手書きから脱却し、誰でも操作ができ、簡単に乗務日報を作成できる製品をコンセプトに開発を進めてきた。また昨年の関西物流展では、モバレポの基となる個配向けモデルを展示していたが、個配向けに特化しすぎていたことにより、BtoBの会社などは使いづらいという意見があったことから、そのモデルを一般向けに作り直した。

▲乗務日報画面のイメージ(クリックで拡大)

こだわりは、日時や場所をスマホの機能を活用して自動で記録し、操作をできるだけ省いて日報作成を行える点だ。他社より機能を省き、単一機能にして差別化を図った。「1件1件どこに何時に行ったか」などが分かるようになり、どこで何をしたのかを入力でき、どこで休んだのか、どこで給油したか、どれくらい待機したか、荷主都合ではないのかなど、スマホをタップすることでほぼすべての事柄を計測できる。加えて、インストール型アプリではなくウェブアプリとしたことで、端末を問わず利用できるようにした。

データ移行やコスト抑制に対応

さらに乗務日報以外にも、日常点検表の作成機能も搭載。ドライバーの一日の業務に関わる部分を、手書き書類からスマホ入力に置き換えることを前提とした。従来は紙に手書きしていた情報をデジタルデータとすることで、日報に記録されたデータのエクスポートにも対応し、他のシステムにデータを送り込むといった使用方法も想定しているという。

▲ドライバーが今まで手書きで対応していた作業がスマートフォンに置き換わるため、作業時間を短縮できる。また、従来通り紙の日報が必要な時は、印刷することも可能だ。

モバレポは初期費用が10万円、月額費用1万円で10台分の登録が可能。それ以上は月額3000円で5台分を追加できるため、1台20万円かかるデジタコよりは割安だ。今後はモバレポ上に登録された乗務日報データを勤怠システムと連携させ、「物流の2024年問題」への対策や運送業のDX(デジタルトランスフォーメーション)へ貢献したい考え。担当者は「モバレポではアフターサポートも充実している。(担当者は)知識が豊富なので、困ったことがあったら声をかけてください」とPRしていた。

時代は変化も、不変の「挑戦する遺伝子」

▲今回の取材に応じた、タイガー販売促進部販売促進課の井上敦士氏

タイガーは1940年、手回し計算機「タイガー計算機」の販売会社として設立。2020年10月には設立80周年を迎えた。「タイガー」の名は大本寅治郎の「寅」から。もともとは「寅印計算機」として発売していたが、当時は「日本製はすぐに壊れる」という風潮があり、国内での信用が得られなかったことから、1926年に「寅」を英語にした「タイガー計算機」に改称したところ、これがハマったという。手回し計算機はその後の他社技術の向上によって不振になったことから、いくつかの事業を経てシステム関連へとシフトしていった。運送業に対応したのは40年ほど前だ。

取材に応じた担当者は言う。「(タイガーは)時代の変化に対応できる遺伝子が組みこまれており、新しいことに挑戦する会社だ」と。DX化は物流業界にも押し寄せている。社会がめまぐるしく変化し続けている現代でも、タイガーは変化し続ける。ぜひ第4回関西物流展でその一部を体感してほしい。

タイガーの出展概要
会期:2023年4月12日(水)〜14日(金)、10時〜17時(最終日は16時まで)
会場:インテックス大阪(大阪市住之江区南港北1-5-102)4号館と6号館A・B
ブース:4号館「C3-61」
来場方法:公式ウェブサイトでの「来場者事前登録」が必要(無料)
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