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「業務増えた」ドライバー4割、UDトラックス調査

2023年4月4日 (火)

調査・データトラックドライバーの年間時間外労働に上限を設ける、働き方改革関連法の施行まで1年を切った。人手の確保や業務自動化など「物流の2024年問題」への対応が迫られるなか、トラックメーカーのUDトラックス(埼玉県上尾市)は、全国の物流会社に勤めるトラックドライバー400人に対してインターネット調査を実施。労働環境や人手不足について、働き方の改善を実感するドライバーは4割強にとどまった一方、直近5年間で業務量が増えたと感じるドライバーも4割強いることがわかるなど、24年問題に向けた課題が解消されていない現状が浮き彫りとなった。

調査結果によると、回答者が「物流の2024年問題」を知っている割合は83.8%に上った。残業規制をネガティブに捉える意見は多く、勤務先の捉え方についての調査で「ネガティブ」と「ポジティブ」の割合は53対47とネガティブがやや上回る結果が出た。懸念事項の調査では「給与が下がること」が75.5%と4分の3を占め、次に「運送業界の売上・利益減少」(40.1%)、「無理なスケジュールの要求」(35.8%)が続いた。

▲残業規制による懸念(単位%、UDトラックスの資料を基に作成)

関連法が公布された5年前と比較し、「ドライバーの働き方が改善していると感じるか」の問いには「感じる」が41.3%で、「感じない」の53.8%を下回った。また、「業務量が増えたと感じるか」の問いには「感じる」が42.8%にも上った。5年間の猶予期間があったなかで、4割以上のドライバーの労働環境が悪化したという結果が出た。1日の業務中の荷待ち時間を聞いたところ、平均で2.1時間という結果になった。中には10時間以上と回答したドライバーも1.5%存在したという。荷待ちにストレスを感じている人の割合は74.5%だった。

「現在の業務を効率化させるべきか」との問いには78.6%と8割近くが、「効率化の必要あり」と答えた。今までの業務を遂行するための「必要な対策」についての問いには、「運送業界への新規参入者(人手)を増やす」(60%)と「荷待ちの時間を減らす」(56.8%)と過半数以上が回答した。また、「トラックの稼働率を上げる」(27.8%)や「短距離輸送を増やす」(20.3%)といった輸送形態に言及した回答も一定数あった。

▲働き方改革関連法施行以降の業務遂行のための対策(単位%、UDトラックスの資料を基に作成)

勤め先で人手不足と感じているドライバーは79.8%に上り、その「具体的な要因」に関する問いには、「給与の低さ」(73.4%)、「高年齢化」(62.4%)、「長時間労働」(56.1%)、「肉体的な負荷の大きさ」(46.1%)、業務量の多さ(42.3%)などが挙がった。人手不足解消に向けて勤務先が「対策を実施していない」との回答は39.8%、「対策をしているが不十分」との回答は2.8%あった。

▲運送業界が人手不足である具体的な要因(単位%、UDトラックスの資料を基に作成)

求職者の立場ではどうだろうか。運送業界のドライバーになる上で、「ハードルの高さを感じている」とした回答は63%に上った。初期段階で苦労したこととして、「トラックが古い」(37.5%)、「業務量が多くて仕事が回らない」(28%)、「トラックが運転しにくい」(21.3%)と、労働環境以外にもハード面での改善点が見られた結果となった。

また、不慣れなトラックやトラクターなどの車両を運転することにも「不安を感じる」とする回答が68.8%、誰でも運転しやすい車両が「必要だと感じる」のは85%に上った。

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LOGISTICS TODAY編集部
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