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LCトランス、飼料タンク管理で餌切れ突発注文ゼロ

2023年5月10日 (水)

調査・データYEデジタルは10日、同社の飼料タンク残量管理ソリューション「Milfee」(ミルフィー)を導入する、養鶏関連輸送業者のLCトランス(宮崎県都城市)が、宮崎県内の契約農家など12農場で運用開始した2022年9月から、餌切れによる突発注文ゼロを実現したと発表した。

LCトランスは、宮崎県のブロイラー会社、エビス商事のグループ企業で、主に家畜と家畜飼料の輸送を担う。また、「養鶏事業にかかわるDX推進」を目標に掲げ、取り組みを行っている。

飼料メーカーや輸送業者は、農家での餌切れ、突発注文などが頻発すると、メーカーは飼料を計画的に製造ができず、輸送も効率よく予定が立てられないなどの課題があるという。同社は、この課題の解決方法として、2018年にセンサーを使った飼料残量管理を試みたが、実用化に至らなかった。その後も解決手段がなく、餌切れによる突発注文で起きる、イレギュラー輸送は5年来の課題となっていた。

こうした中、同社では解決策として、2021年9月にYEデジタルのミルフィーの検証機を3農場の9タンクに設置。操作の手順や実用に十分な精度と、餌切れ・突発注文を解消できることを確かめた。その後、2022年9月に本格導入し、宮崎県内の契約農家など12農場の53タンクに設置を行った。

ミルフィーは、農場に設置する飼料タンクの蓋の内側に端末を取り付けることで、クラウドで畜産農家、飼料メーカー、飼料輸送業者が、飼料残量を確認できるソリューション。

▲飼料タンク残量管理ソリューション「Milfee」概要(クリックして拡大、出所:YEデジタル)

LCトランスの導入では、測ることが難しいマッシュ飼料(粉体形状)の高精度な計測や、農家が現場に行かなくても端末画面で飼料残量確認と管理が行えるようになった。また、既存の飼料受発注システムとの連携も実現した。その結果、これまで月に数回発生していた餌切れによる突発注文がゼロになったほか、農家との飼料配送日の調整が可能となり、配送コストも低減した。

LCトランスでは今後、これまで人手に頼ってきた業務を、ITによって省力化することで、飼料高騰や市況に左右されない、安定した生産基盤を構築し、将来的には売り上げと収益向上につなげるとしている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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