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倒産発生率が3年ぶり悪化、運輸業が産業別ワースト

2023年5月17日 (水)

調査・データ東京商工リサーチ(TSR)が17日にまとめた2022年度の倒産発生率(普通法人)調査によると、倒産発生率は0.200%で、前年度(0.167%)から0.033ポイント悪化した。新型コロナウイルス禍の資金繰り支援で倒産は抑制され、20年度は0.204%、21年度は0.167%と過去最低レベルで推移していたが、低水準ながら一転して3年ぶりに悪化した。倒産件数は22年4月から13か月連続で前年同月を上回っており、コロナ禍の資金繰り支援効果が息切れした影響と見られている。

産業別の倒産発生率では、統計を公開している10産業すべてで悪化しており、これは13年度以降の10年間で初めて。産業別ワーストは、運輸業が0.363%(前年度0.252%)で、前年度より0.111ポイント悪化し、10年間で初めてワーストとなった。燃料費の高騰や人手不足などの影響で他産業に比べ悪化幅が突出して高く、以下、卸売業0.320%(前年度0.306%)、情報通信業0.303%(同0.255%)が続く結果となった。

▲産業別倒産発生率の推移(クリックで拡大、出所:東京商工リサーチ)

TSRでは、資金繰り支援のゼロゼロ融資の返済と利子払いがこれから本格化すること▽業績回復が遅れた中小企業が多く返済原資の確保が難しい企業が増えていること▽借り換え制度について金融機関により対応に温度差があること▽私的整理のガイドラインについて希望する企業が利用できるか未知数であること――などが不安材料であるとみており、円安や原材料・資材価格・光熱費・人件費などの企業コストの上昇で、資金調達が難しい企業を中心にした倒産増と倒産発生率悪化の可能性が高まっているとしている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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