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ESR代表が国内市場に自信、東扇島DC「最高レベル」

2023年5月23日 (火)

▲ESR東扇島ディストリビューションセンター(出所:ESR)

拠点・施設ESR(東京都港区)は23日、川崎市川崎区東扇島に竣工したESR東扇島ディストリビューションセンター(東扇島DC)を報道向けに公開した。同施設は、敷地面積7万7725平方メートル、延床面積34万9003平方メートルを誇り、日本最大級となる9階建てのマルチテナント型物流施設となることから業界で注目を浴びている。

都心・港・羽田空港のいずれにも近い東扇島DCは、川崎市の臨海部でも物流需要の高い東扇島地区にあり、首都高速湾岸線東扇島インターチェンジから1キロと東京都心や首都高速横羽線や東京湾アクアラインなど首都圏の広域交通網のアクセスに優れている。川崎港に隣接し、横浜港から15キロ、羽田空港から10キロと、陸・海・空の輸送インフラも整っていることで輸出入においても優位性を持ち、日本の物流・国際貿易・経済にとって希少なエリアで首都圏屈指の好立地となる。

▲首都高速湾岸線沿い、川崎港に隣接する好立地

倉庫施設の仕様面では、1階は両面バースを備え、低床式(建物東側)と高床式(センターバース・建物西側)のハイブリット構造となっており、冷凍冷蔵ニーズに対応できるよう有効高6.5メートル・床荷重2トン(1平方メートルあたり)のスペック。2階~8階はセンターバース1メートルの高床式倉庫に、トラックバースを計565台設置。有効高5.5メートル(8階は5.5~8.5メートル)、床荷重1.5トン(1平方メートルあたり)で、すべての階で2.5トンのフォークリフトが走行可能だ。

▲8階倉庫は柱が少ないワイドスパン仕様

柱スパンは間口11メートル、奥行き11.25メートルを確保、5階~8階はスプリンクラー設置により通常は1500平方メートル以内とされる1防火区画は3000平方メートル以内で形成される。壁が少なくよりフレキシブルなレイアウトが可能となり、8階ではさらに柱本数が少ないワイドスパンの区画を提供する。最小賃貸区画は1480坪とし、各階最大6テナント・計48テナントへの分割が可能となっている。

これら、汎用性が高い建築計画と特別高圧電力の供給により、冷凍冷蔵、ロボティクス、倉庫内空調、ハイスペックな物流システム導入など入居企業の多様なニーズに応えることができる。

また、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みでは、省エネルギー、環境負荷低減、環境品質に配慮し、建築環境総合性評価システムや省エネ制度評価システムにおいて、それぞれ最高レベルの評価を得ている。また、BCP(事業継続計画)対策でも、浸水対策や非常用自家発電機を備えて対策を施す。

ESRは同施設を、陸・海・空のランドマークとなる物流施設として位置付けており、倉庫事業区画の使い勝手の良さはもちろん、デザインや従業員のアメニティースペースにも力を入れている。建物デザインの面では同社の施設として初めて採り入れたカーテンウォール(ガラスの壁)が開放感を演出し、壁面緑化も採用するなど外観でも目をひく。

▲初導入のボーリングレーン

また、「HUMAN CENTRIC DESIGN.」(人を中心に考えたデザイン)を基本理念に、施設の労働環境の快適性と安全性にとりわけ力を注いでいるのも、他施設とは一線を画する。同社の他施設で早くから導入していた託児所も、デザイン性・機能性にこだわり、園庭からは緑の公園が広がるなど子どもに優しいデザインに。そのほか、フィットネスクラブや24時間営業のショップ、初導入のボーリングレーン、ホテルと比べても遜色ないラウンジスペースなど設備が充実。晴れた日には9階のテラスから羽田空港や東京湾などを一望できる。

ギブソン代表「国内市場は再開発の余地大きい」

▲ESRのスチュアート・ギブソン代表

同社のスチュアート・ギブソン代表は、「絶えず前よりももっと良い施設をと考え続けており、東扇島DCは現時点で最高レベルの物流施設となった」とし、同施設によってフル稼働で3000人にも及ぶ雇用を創出し、日本経済にも貢献できると語した。また、働く人に優しい施設のコンセプトを、「自身が働いてハッピーか?」を基準に考えているといい、今後も「働きたい施設」への投資を重視していくという。

同氏は日本の物流施設市場の現状において、国内では同規模の物流施設はまだ少なく、古い倉庫などが多いことなど再開発の余地が大きいことから勝機があると展望。ESRではことし9月に「横浜幸浦DC3」を、2025年には東扇島にもう1つの物流施設「東扇島B」の着工も予定している。常により良い施設を追求する同社にとっては新施設での最新テクノロジー導入も計画しており、東扇島Bでは今回の施設で実現できなかった商業ドローンへの対応なども視野に入れているという。

「ESR東扇島ディストリビューションセンター」概要

所在地:神奈川県川崎市川崎区東扇島21
敷地面積:7万7725平方メートル(2万3512坪)
延床面積:34万9003平方メートル(10万5573坪)
構造:地上9階建・プレキャスト・プレストレストコンクリート工法(PCaPC造)・免震構造
アクセス:【車】首都高速湾岸線東扇島ICより1キロ/【バス】ESR送迎バス利用、川崎駅から25分、川崎市バス「東扇島東公園前」から徒歩4分(市バス利用で当バス停まで「川崎駅前」から40分)

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