完全電気推進バイオマス輸送船が就航

荷主Marindows（マリンドウズ、東京都港区）は7日、e5ラボ（イーファイブ・ラボ、東京都千代田区）と共同で、世界初となる完全電気推進バイオマス輸送船「あすか」を就航をさせたと発表した。

▲完全電気推進バイオマス輸送船「あすか」（出所：Marindows）

これによると、同船には第二世代EV（電気推進）パワートレインが採用されており、第一世代EVパワートレイン比でサイズと重量を80％削減、10％以上の効率向上を達成。EV船の課題であった速力と航続距離の課題を解決し、既存船と同等以上の11.8ノットの速力、2700マイルの航続距離を実現した。

同船は、内航貨物船としては最も隻数が多い499トンタイプで、2基のモーターを駆動力とし完全に電気のみで推進するEV船。大容量蓄電池と発電機を搭載し、入出港・荷役中ゼロエミッションが可能で、港湾のカーボンニュートラルポート（CNP）に貢献する。CO2排出だけでなく窒素酸化物や硫黄酸化物、港湾周辺の煤煙や騒音・振動の排出を無くすことが可能。同船が就航する神戸・相生間の輸送では、既存同型船と比較しCO2排出量を最大50％削減できる。

マリンドウズによると、同船に搭載されたEVパワートレインと自動化支援システムは、スマートフォンのようにアップデートによって進化でき、バッテリーの増設や運航解析と制御プログラム修正などの更新によって、港湾内ゼロエミッションだけでなく運航全体の更なるエミッション削減に貢献するという。また、搭載されている船舶自動化支援システムによって、熟練船員を必要とする出入港作業を自動化・省人化・省スキル化し、遠隔監視が可能。最も人手が必要な離着桟作業をこれまでの５名から３名に削減し、安全性と効率性の向上に寄与としている。

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

LOGISTICS TODAY編集部
メール：support@logi-today.com