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(仮称)T-LOGI寒川、知名度だけでは測れない物流拠点

2023年7月27日 (木)

話題物流施設ブランド「T-LOGI」(ティーロジ)を展開する東京建物が、神奈川県内への拠点進出を積極的に進めている。昨年1月に神奈川県内第1号施設として「T-LOGI横浜青葉」が竣工したのを皮切りに、7月に県下第2号物件となる「T-LOGI綾瀬」を竣工。そして2024年、第3号施設としての竣工を予定しているのが、「(仮称)T-LOGI寒川」である。

▲ロジスティクス事業部の勝呂亘氏

寒川町は、都心への通勤圏内ともあって5万人近い人口を有する。周囲を厚木市や海老名市、そして平塚市といった物流施設の集積地帯に囲まれており、雇用のポテンシャルや機動力において当該地域と同等のポテンシャルを秘めている。東名高速道路や圏央道エリアへの進出を検討するなら、当然注目しておくべき施設だ。

24年夏の竣工予定に向けて全貌が明らかになりつつある同施設の魅力を、ロジスティクス事業部の勝呂亘氏から聞いた。

46台接車可能・両面バースで実現する配送効率化

(仮称)T-LOGI寒川が建設されている場所は、圏央道「寒川北インターチェンジ(IC)」から6.2キロ、東名高速へは「厚木南IC」から8.2キロ、綾瀬スマートICから8.6キロほどでアクセスできる地域にあり、広域配送での幹線道路への接続に関しては、周辺エリアに立ち並ぶ物流要衝地域からのアクセスと比べても同等以上の立地となる。

▲(仮称)T-LOGI寒川のアクセスマップ

勝呂氏は、「ご存知の通り、物流施設の供給の多いエリアではありますが、それだけ需要も多い地域。中長期的に見れば、周りの物流地帯以上のポテンシャルを評価してもらえる物件です」と語る。横浜港への輸送をはじめ、県の内陸ほぼ中央から、神奈川、東京といった巨大商圏をターゲットエリアとし、スピーディーな物流オペレーションに対応できるように施設内の設備も準備されている。

総延床面積2万7300平方メートルの4階建てボックス型マルチテナント施設として、1階にはトラック両面バースを備える。「T-LOGIの県下施設としては初めて両面バースを取り入れており、46台が接車可能です。ボックス型でありながら、より効率的な荷役作業が可能となります」(勝呂氏)

庫内施設、BCP対応、環境対策など独自の強み

テナントのターゲットとしては3PL事業者などを想定するとともに、1階の耐床荷重を2トンとすることに加え、全フロアで2.5トンフォークリフトの運用が可能な仕様とすることで、地場の自動車系や飲料系の荷主企業の需要にも対応できるようになっている。また、垂直搬送基6基、荷物用ELV2基を備えており、ボックス型ながら垂直搬送能力も十分な機能を備える。区画は、1階をそれぞれ両面バースが使えるように2分割を想定しており、1階の半分と2階と4階の合わせて2.5フロア分を使用、もしくは1階の半分と3階の1フロアの合わせて1.5フロア分(最小区画区分)を利用するといった形で、両面バースの特性を活かして、使用用途と容量に合わせたレイアウトを検討することもできる。

また、施設面で特徴的なのが、BCP対応と環境対策である。もともと、ハザード対象外の地域に位置し、加えて24時間供給可能な非常用電源を搭載し災害に備える。セキュリティー面でも各テナント区画の出入口に電子錠とカードリーダーを備えて入館管理、建物内外の監視カメラなど防犯設備を整えている。

▲T-LOGIのBCP対応やセキュリティ(クリックで拡大)

環境対策においては、太陽光パネルを屋上に備え、発電量分を施設内で自家消費することができる。また、余った電力は自社保有の商業施設に融通し、太陽光発電した電力を無駄なく使用している。加えて、環境配慮型建築物の公的認証であるZEB認証を取得予定。太陽光発電などの取り組みは、すでにT-LOGI各施設でも実施されており、今後もさらに実績を積み重ねることで、東京建物として環境対策への対応を進化させていくことになる。

▲T-LOGIにおける環境対策(クリックで拡大)

豊富なメリットを生かした拠点計画が可能

(イメージ)

物流業界でも懸案となっている雇用確保の観点でもアドバンテージは大きい。周辺地域からの就労を想定しており、もともと町の南部に工場地帯があったことなどや、エリア近辺では競合する業態があまりない現状から、地元雇用の新しい受け皿となることを目指す。

施設内1階には、テナント共用の休憩ラウンジも用意し、「従業員の方々が、快適に仕事できるよう施設環境を整えています。地域の中でも魅力的な就労環境だと思っていただけるのでは」(勝呂氏)と語る。人材会社との連携も予定しており、入居テナントに対して労働力確保へ向けた実践的なコーディネートを行うことも可能だ。

▲ロジスティクス事業部課長代理の高島秀樹氏

また、(仮称)T-LOGI寒川が事業所税の非課税エリアにあるため、他の課税エリアの施設と比べて賃料換算でひと月あたりの坪単価で165円程度安価になる経済的メリットが享受できることや、1階バースを車両の保管場所として車庫証明を取得することが可能となっているため、駐車場用途として使用できることも、運送事業者にとって大きな運営上のメリットとなる。勝呂氏は「賃料以外のランニングコストメリットにおいても競争優位性を見出していただける施設」と胸を張る。

神奈川から拡大するT-LOGIブランド

神奈川エリアでの積極的な開発を進める東京建物では、県下4番目の物流施設として(仮称)T-LOGI相模原も開発中だ。国道129号線に隣接し、圏央道「相模原IC」まで2キロの立地。総延床面積9万4000平方メートル規模の施設となる予定で、25年の竣工を目指している。今後、T-LOGIが神奈川県下での実績を積み重ねることにより、そのブランド名が神奈川の物流シーンをリードする代名詞となるかも知れない。

「(仮称)T-LOGI寒川」施設概要
所在地:神奈川県寒川町倉見1802-1他6筆
敷地面積:1万2397平方メートル(3750坪)
延床面積:2万7438平方メートル(8300坪)
交通:圏央道「寒川北IC」6.2キロ、「海老名IC」9.5キロ、東名高速道路「厚木南IC」8.2キロ、 「綾瀬SIC」8.6キロ
竣工:2024年夏
「(仮称)T-LOGI寒川」詳細