ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

24年問題の理解度は28%、人材関連への懸念多く

2023年10月10日 (火)

調査・データデジタル、人材領域でのサービスを提供するキャムコムグループのロジテック(東京都渋谷区)は10日、2024問題に直面する物流業界を対象に定期的に行っている調査の結果を公表した。全国の1000人を対象に調査を行っており、回答者の68%はトラックでの運送・運輸関連で4%が軽配送となっている。回答者の企業規模は大企業が30%で、うち非上場の大企業は22%。43%が非上場の中小企業で、27%が未回答。

昨今ではテレビや新聞で取り上げられることも増えた「2024年問題」であるが、「知っているし、内容も理解している」と回答したのはわずか28%。10月6日には2024年問題に対する即効性の高い取り組みとして、政府から「物流革新緊急パッケージ」が発表されたが、調査からは、当の物流業界であっても問題の認知や対策があまり進んでいないという状況がうかがえる結果となった。

「2024年問題が業界へ及ぼす影響として、どのようなことが自社に影響があるか」との問いに対しては、「人材、人手不足」「賃金や外注費などのコスト高騰」「人材の流出、採用の悪化」といった回答が多いなど、人材関連に懸念を持つ企業が多く見受けられた。「2024年問題の影響に対して、どのようなことが求められると思うか?」との問いにも同様に、「従業員満足度を高め、離職率を下げること」「人材育成を図り、有資格者を増やすこと」など、人材関連の施策を挙げる企業が目立ち、来年以降の働き手にどう向き合うかに頭を悩ませている企業の姿が浮き彫りになった。

また、その他に「仕事を受けきれない」「経営状況の悪化」「取引先との関係悪化」など、受注と経営への懸念を挙げる企業も多く、仕事が途切れないように「大手の発注者との関係強化」、「大手の発注者に単価交渉を行える交渉力」をつけることなどを目指し、大口受注により安定した経営を目指したい意向を示す企業も多かった。パートナー企業を増やして「受注量を担保」したり「新しい業務や新規エリアを拡大」「物流業界における新規事業を確立」など、先を見越して業務を確保、拡大していきたいとする回答も多く見られた。また一部には「物流以外の新規事業を確立すること」と回答した企業も5%弱あり、24年以降の先行きが見えない状況のなかで、物流以外の業務にも目配りをする必要を感じていることがうかがえた。

2024年問題について具体的な対策を実施しているとの回答は上場企業では37%あったが、施策の成果が出ているのは9%に過ぎなかった。その他の企業は「対策を計画中」「情報収集段階」「検討を始めたばかり」の状態で、35%の企業は何もしていないと回答。非上場大企業、非上場中小企業でも似たような回答になっており、具体的な対策を実行しているのは非上場大企業で35%、非上場中小企業で17%という回答で、対策の成果が上がっているのは非上場大企業で4%、非上場中小企業で3%で、全体では効果を感じている企業は5%程度という低い数字となった。

2024年問題に対して実際に行っている取り組みとして最も回答が多かったのは、問題の焦点ともいえる「労働時間の見直し」であった。そのほか、懸念事項として回答が多かった人材関連の「新規人材採用」「人材教育」「人員削減」との回答も多く、少ない人員でも業務を行うための「デジタル化による業務自動化」「AIなどの省人化検討」などのDX(デジタルトランスフォーメーション)導入を進めるとの回答も少なくなかった。

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com