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ヤマトHD、鳥取と中国結ぶ新ルート開拓へ実証輸送

2012年12月21日 (金)

話題ヤマトホールディングスは20日、傘下のヤマトパッキングサービス(東京都江東区)が鳥取県による「環日本海定期国際フェリー航路輸送ルート開拓実証調査業務」を受託したと発表した。

ヤマトパッキングサービスが受託したのは、鳥取県の境港と韓国東部の東海港などの北東アジアを結ぶ環日本海定期国際フェリー航路を利用した新たな物流ルートの開拓に向けた調査業務で、中国・天津市から鳥取県米子市へのトライアル輸送を実施する。

山陰地域には電機・電子部品などの製造業が集積し、国際輸送に対する高い需要があるものの、中・小規模の事業者が多いため、1社で海上コンテナを一本満たすほどの出荷量がなく、最寄りの境港から海外へのコンテナ船の便数も限られているため、貨物量や便数の多い阪神港まで運んだ上、他社貨物との混載で海外へ輸出せざるを得ないのが現状。

また、輸入の場合もコンテナ船で阪神港へ、その後トラックで鳥取県まで輸送するため、輸出入にかかる長いリードタイムと高コストが課題となっている。

そこで、ヤマトパッキングサービスの山陰流通トリニティーセンターでは、地元企業のこうした課題を解決するために、アジアと山陰地域を速く、低コストで結ぶ新たな最短輸送ルートを開発し、コンテナ船の代わりにフェリーとRORO船、トラックを利用したドア・ツー・ドアの小口貨物輸送プラットフォームの構築を目指し、トライアル輸送を実施することにしたもの。

トライアル輸送では、天津市から米子市までフェリーと陸路、RORO船を利用し、途中で韓国を東西に横断する陸上輸送ルートを経由する、日本初のルートの検証を行う。

既存のルートと比べ、貨物の海上コンテナへの積み替えや、コンテナ船への積み込みにかかる時間が不要となり、積み替え時に発生する貨物へのダメージの抑制、輸送モードの切替時間の短縮が実現できる。また、阪神港ではなく境港に到着するため、日本国内での陸上輸送距離が短くなりコストも削減される。

試算では、これまで11日かかっていたリードタイムを9日に2日間短縮、コストを15%削減できる見通し。

■輸送ルート
天津市(中国)→(トラック)→天津港→(RORO船)→仁川港(韓国)→(トラック)→東海港(韓国)→(フェリー)→境港(鳥取県)→トラック→米子市(鳥取県)