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LSF開催、24問題を迎え撃つ展示ずらり

2024年2月20日 (火)

イベント日本ロジスティクスシステム協会(JILS)主催のロジスティクスソリューションフェア(LSF)が20日、東京ビッグサイトにて開幕した。会期は21日まで。

▲開場直後から多くの来場者が詰めかけた

出展企業は物流会社、デベロッパー、システム関連、ロボティクスなど多岐にわたるが、海運などの国際貿易というよりは、国内の物流、トラック輸送などを対象とした展示、打ち出しが多く見受けられた。また、21日には本紙編集長、赤澤裕介による2024年問題についての登壇もある。

デベロッパーでは野村不動産、大和ハウスグループ、プロロジス、グッドマン、アライプロバンスなどが出展しており、それぞれの立地、設備、付随サービスをピーアール。

アライプロバンスはマンション、オフィスなどの開発と合わせ、近年は東京・城東地区を中心に物流拠点の開発を進めている。24年以降は、現在よりもさらにトラックドライバーが不足することからオンタイムでの輸送が難しくなり、消費地近くで在庫を持つ必要が増えるとされる。それを見越して首都圏では江東区などを中心に、他社も都市型の物流拠点開発が増えてきている。これについてアライプロバンスの三浦充氏は「資材の高騰もあり、拠点開発も一服した感があるが、都市部を中心にEC(電子商取引)、ラストワンマイルなどの需要は引き続き増加傾向。引き続き動向をにらみつつ、社会課題の解決につながる開発を続ける」と語った。

▲「アライプロバンス葛西」の模型

労働人口の減少に伴う庫内作業の効率化、省人化ソリューションとしては、ハクオウロボティクスの無人フォークリフトやNECの自動搬送ロボットが注目を集めていた。

NECは本日公開となる自動搬送ロボットをプレゼンテーション。これは2台一組となるユニークなロボットで、天井にカメラの配置を要するものの、床面にレールや棚などの機材を新たに設置することなく導入可能。2台のロボットでかご台車などを挟み込んで、所定の位置に移動させることができる。大がかりな設備導入や工事が必要ないので、比較的規模の小さい物流企業、ECなどでも導入しやすいソリューションといえる。

NEC事業開発統括部・協調搬送ロボットスクラムマスターの馬場華代氏は「現在のところ、導入が決まっているのは比較的規模が大きい倉庫。機能的には300平方m程度のエリアを複数のロボットが走行するような環境での利用に適している」と製品の長所を紹介。また、「ロボット全体に言えることだが」とした上で、「今後は大企業を中心にロボットの導入はさらに進んでいくはず。スケールすることで価格もさらにこなれていくことが予想され、中小企業へも導入されていくと見ている」と語った。

◾NECロボット
https://jpn.nec.com/index.html

▲ハクオウロボティクスの無人フォークリフト

24年問題の根本はトラックドライバーの超過労働時間が減ることである。労働時間を適正に管理するためには、運送会社、荷主、元請けなどが運行、休憩、荷待ち、荷役などの稼働時間を把握する必要がある。LSFでも労務運行管理の「ロジポケ」のX Mile(クロスマイル)や物流プラットフォーム「MOVO」(ムーボ)シリーズのHacobu(ハコブ)などが出展し、多くの人が説明を受けていた。

データを取ることで業務の内容や稼働時間、原価と粗利などが数字で把握できるため、こうしたツールを活用し、荷主・元請けとの運賃交渉のエビデンスとしている運送会社も多い。この点を大きく打ち出していたのが運送管理システム「ロジックス」を提供するアセンドだ。

▲運送事業者にとって運賃交渉の裏付けとなるデータ取得を推進するアセンド

運送管理システムの多くは受注から請求書発行まで、また、配車や労務、車両管理なども行えるなど、バックオフィス機能のスリム化を実現するソリューションを提供するものだ。それと同時に、「この仕事でどのくらい利益が出ているのか」も具体的な数字として見えやすくするツールでもある。24年4月を前に、どうやって運賃交渉を行ったらいいのかわからないという運送会社も少なくないが、こういったツールの活用を進めるとともに、ベンダーに運賃交渉事例を聞いてみるのも有意義といえそうだ。

物流を「変えなきゃ・変わらなきゃ」の決意新たに

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LOGISTICS TODAY編集部
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