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春風堂・茶月に保全命令、物流提携も改善せず

2013年1月18日 (金)

話題帝国データバンクは17日、春陽堂(京都市南区)とその子会社で宅配寿司事業などを展開する茶月が今月15日に債権者から京都地裁へ破産を申し立てられ、同日保全命令を受けた、と発表した。申請代理人は小野誠之弁護士ほか。

春陽堂は、1946年7月創業。テイクアウト・宅配寿司店「茶月」「神田一番寿司」、回転寿司店「海鮮大名」、ピザ・パスタ料理「サンマルコ」、中華料理「春陽堂」などを運営する春陽堂グループの中核会社。

以前は飲食事業を自社で運営し、主力事業の寿司小売店「茶月」は、持ち帰り寿司店として関西地区を基盤に関東・東海地区へも積極的に進出。その後はカレーショップ、ラーメン店、惣菜店なども手掛け、総合外食チェーンとして業容を拡大、92年3月期には年売上高363億8300万円を計上していた。

その後04年、05年に経営合理化、収益改善を目的に店舗形態別、事業形態別などに会社分割を実施し、主に宅配寿司「茶月」を運営する茶月などを設立。現在では、その営業子会社に対しての食材供給、店舗設備などの賃貸、FC店などの経営指導などを行っていたという。

しかし、競合店舗の増加、外食業態の多様化などから営業子会社の来客数減少、客単価下落に歯止めがかからず、12年3月期の年売上高は36億7700万円にまで減少。店舗出店や建設などに伴う借入金が重荷となり、厳しい繰り回しが続いていた。このため、中核の「茶月」部門を中心に、不採算店舗の閉鎖や人員削減などで立て直しに取り組んでいた。

こうした中、昨年10月には関東地域直営店・FC店87店舗を小僧寿し(東京都中央区)の子会社に譲渡し、同時に同社と業務提携契約を締結、食材の購買、物流、広告宣伝などで協力することを取り決めていた。

しかし、その後も業況は改善せず、給与の未払いが発生するなど資金繰りは悪化し、今回の措置となった。負債は、春陽堂が2012年3月期末時点で50億2700万円、茶月が2011年9月期末で28億3100万円で、2社合わせて78億5800万円。