川崎重工、播磨工場で旋回式スラスターを生産開始

拠点・施設川崎重工業は22日、播磨工場（兵庫県播磨町）で旋回式スラスター「レックスペラ」の新工場を完成させ、生産を開始したと発表した。

生産を開始した新工場「スラスター第2工場」は、舶用推進機の生産体制を強化するために建設したもので、需要の拡大が見込まれるレックスペラの生産を神戸工場（神戸市中央区）から移転した。

移転に伴う工場レイアウトの最適化や組立・試運転設備の増設で、レックスペラの生産能力は1.5倍の年間140台となる。

レックスペラは、水平方向360度の任意の方向に推進力を得られる全旋回式推進機で、推進機・舵・サイドスラスターの機能を備えている。

最近では海底資源開発などに用いられるシャトルタンカーやドリルシップなどの大型船や洋上設備に資材輸送などを行うサプライボートなどのオフショア船に搭載され、船舶に対して掘削・荷役時の高い定点保持能力や高い操船性を提供する。

新工場は、海底資源開発市場の急速な成長に伴って需要が拡大している大型船・オフショア船などに対応する生産拠点として運用する。

同社は、2008年10月にも船舶を横方向に推進させるサイドスラスターの生産工場を播磨工場に新設しており、今回の新工場の完成により、舶用推進機の生産性向上につなげる。