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富士フィルム、大型液晶テレビ向け工場が稼働

2013年1月29日 (火)

荷主富士フイルムは28日、大型液晶テレビに使用される「超広幅フジタック」を生産する富士フイルム九州(熊本県菊池郡)が第4工場第8ラインを23日から稼働させた、と発表した。

第8ラインでは、超広幅フジタックの中でも大型液晶テレビで最も多く採用されている「VAモード」の液晶パネルの視野角拡大や、コントラスト向上に寄与する「VA用フィルム」を生産する。

また、第7ラインもことし3月に稼働を開始する。第7ラインでは、IPSモードの液晶パネルで、斜め方向から画面を見た際の色味変化を抑える機能を持つ「IPS用フィルム」や、偏光板保護フィルムとしてあらゆるモードの液晶パネルに広く使用されている「プレーンタック」を生産する。

液晶パネルの市場では、現在タブレットPCやスマートフォン向けの中小型パネルの需要が急激に伸びているが、これまで液晶パネル市場をけん引してきた大型パネル需要も安定的に拡大している。また、液晶テレビは大画面化の進展とともに画面面積が年率2桁成長しており、今後も成長が見込めるとして、生産拡大に取り組んでいる。

今回稼働させた富士フイルム九州第4工場第8ラインと、3月に稼働する第7ラインでは、超広幅フジタックを生産し、40インチ以上の大型液晶テレビの効率的な生産に寄与する。

第7ラインでは、これまでで最大の幅となる2500ミリメートルのフィルムの生産が可能。第4工場は、生産工程でエネルギーの効率活用を追求し、新たに増設した天然ガスコージェネレーション設備による自家発電の電力で稼働する。

特に、第8ラインでは生産するフィルムの超広幅化、ラインのスピードアップとともに、生産工程で発生する蒸気・温水を徹底して再利用するなどの省エネルギー対策を行うことで、単位面積あたりのエネルギー使用量を従来の半分まで減らする。

また、神奈川工場(フラットパネルディスプレイ材料生産部)足柄サイトにある1ラインを、中小型ディスプレイ向け製品開発、生産のための専用ラインとし、1月より25μmのフジタックの量産を開始した。富士フイルムオプトマテリアルズ(静岡県榛原郡)でも新たに中小型ディスプレイ向け製品の開発、生産体制を整え、薄型のIPS用フィルムなど、需要が急拡大するタブレットPCやスマートフォン向けの薄型フィルムの新製品開発、生産を強化していく。

■新工場の概要
工場名:富士フイルム九州第4工場
建設場所:熊本県菊池郡菊陽町津久礼2900番地
投資金額:330億円(第7ライン180億円、第8ライン150億円)
建屋面積:1万3000平方メートル
延床面積:3万4000平方メートル