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スマホで積載率可視化、uprが中小向け運行管理提供

2026年5月14日 (木)

ロジスティクスパレットレンタルなどを手がけるユーピーアール(upr)は13日、中小の実運送事業者向けにデジタル基盤となる「Uスマホ運行管理サービス」の提供開始を発表し、都内で記者発表会を開いた。物流業界が抱える課題を背景に、新サービスがどのように運送事業者の業務改善や利益確保に貢献するかが示された。

発表会の冒頭、同社の酒田義矢社長は、物流の2024年問題やドライバー不足といった業界の深刻な課題に言及した。実運送事業者にとって法令順守と生産性向上を両立させるためには「デジタル武装」が必要不可欠であり、同サービスが無理なく導入できる基盤となることを強調した。

▲ユーピーアール・代表取締役社長執行役員の酒田義矢氏

続いて登壇した運輸デジタルビジネス協議会(TDBC)代表理事の小島薫氏は、近年の法改正動向について解説し、2025年4月から業務記録の義務化が軽貨物を含む全車両に拡大されることや、荷待ち・荷役時間のエビデンスを取得し適正な対価を請求することの重要性を指摘した。小島氏は、通信型デジタコが搭載されていない車両をカバーする上で、手軽に導入できる同サービスが大きな価値を持つと述べた。

▲運輸デジタルビジネス協議会(TDBC)代表理事の小島薫氏

同サービスのメインとなる機能紹介とデモンストレーションは、uprソリューション事業本部長の市川孝幸氏によって行われた。本サービスは、専用の車載器を新規導入する必要がなく、スマートフォンと事務所のPCのみで運用できる低コストな仕組みであることが最大の特徴。

特筆すべきは、端末側のAI(人工知能)を活用した独自の機能。荷積み完了後にスマートフォンのカメラで荷台を撮影するだけで、端末側のAIが瞬時に積載率(パーセント)とパレットの枚数・色を自動算出する。このデータは画像とテキストで記録され、即座にクラウドへ共有されるため、実運送の現場でどれだけの積載があったのかを客観的な証拠として残すことができる。また、GPSを活用して5秒間隔で車両の現在地を描画し、走行距離や走行時間を記録する動態管理機能も備えている。営業所や得意先にジオフェンスを設定することで、手動操作に頼らず出庫や到着を自動で検知することも可能。

▲ユーピーアール・ソリューション事業本部長の市川孝幸氏

さらに、現場の業務を支える補助機能も充実。荷待ち時間や荷役時間、検品や棚入れなどの付帯作業を正確に記録できるほか、事務所からの配車・運行指示の一元管理、スマートフォン画面上での電子サイン取得、法定点検の実施記録と所要時間の証跡化など、現場のニーズに応える機能を網羅している。ドライバーによる荷主の客観的評価を蓄積する機能もあり、運送事業者が今後取引先を選択していく上での指標としても活用できる。

▲Uスマホ運行管理サービスのデモを行う市川氏

同サービスの最大の狙いは、中小の実運送事業者の「運賃適正化」と「トラックドライバーの賃金改善」。法改正によって、荷主や元請けから荷待ち・荷役や積載効率などのデータ提供が強く求められるようになるなか、サービスを活用することで、運送事業者は手軽に業務記録やエビデンスを取得・保管できるようになる。この客観的なデータに基づき、運賃と料金を分離した適正な運送契約を交渉・締結することが可能となる。普及率が50%程度と言われる通信型デジタコを未導入の中小事業者やアナログタコグラフからの移行を検討している事業者にとって、品質が保証されたスマートフォン同梱パッケージでの提供は、初期投資を抑えつつ迅速な法令対応を実現する現実的な解決策となる。また、すでにデジタコを導入済みの事業者向けにも専用APIを用意し、デジタコでは取得困難な積載率や作業記録を補完連携できる仕組みを提供する。

提供にあたっては、他アプリ稼働によるAI推論や位置情報記録への影響を排除し品質を保証するため、原則として端末と通信回線がセットになったパッケージで提供される。基本パッケージ(車両側)は携帯端末本体、通信回線料、アプリ費用を含めて月額3280円、事務所側のウェブ管理システムは3IDまで含んで月額3万円、初回のみ回線開通等の事務手数料として4950円に設定されている。携帯端末本体抜きの、アプリのみの提供も可能だ。(土屋悟)

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